取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

映画『ビューティフル・デイ』

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STORY

元軍人のジョーは行方不明の捜索を請け負うスペシャリスト。ある時、彼の元に舞い込んできた依頼はいつもと何かが違っていた。依頼主は州上院議員。愛用のハンマーを使い、ある組織に囚われた議員の娘・ニーナを救い出すが、彼女はあらゆる感情が欠落しているかのように無反応なままだ。そして二人はニュースで、依頼主である父親が飛び降り自殺したことを知る―

映画「ビューティフル・デイ」公式サイト 2018年6/1公開 

REVIEW

音楽と役者の演技に支えられた作品だった。もう少し物語性があるかなと思っていたのだけれど そういう訳でもなく、このあと観た何度目かの『レオン』がやっぱり最高と思った。でもレオンとマチルダに幸せになってほしいと思った人ならこのラストはとても穏やかな気持ちになるmのではないかな。結局のところ雰囲気は好きだけどいまいちだった。

舞台『夢の裂け目』

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STORY

昭和21年6月から7月にかけて、奇跡的に焼け残った街、東京・根津の紙芝居屋の親方、天声こと田中留吉に起こった、滑稽で恐ろしい出来事。ある日突然GHQから東京裁判検察側の証人として出廷を命じられた天声は、民間検事局勤務の川口ミドリから口述書をとられ震えあがる。家中の者を総動員して「極東国際軍事法廷証人心得」を脚本がわりに予行演習が始まる。そのうち熱が入り、家の中が天声や周囲の人間の〈国民としての戦争犯罪を裁く家庭法廷〉といった様相を呈し始める。そして出廷の日。東条英機らの前で大過なく証言を済ませた天声は、東京裁判の持つ構造に重大なカラクリがあることを発見するのだが......。 

夢の裂け目 | 新国立劇場 演劇

REVIEW

正味すばらしいミュージカルだった。軽く始まってそのうち深く考えて、勝つことよりも生きることを望んだ日本人を思うことができた。高尚な考えも立派な生き方も要らない。必要なものがなんだか分かって、それをしっかりと手に握ったら離さないようにだけすればそれだけでいいのだとそう思えた。

内容とは直接的に関係はないのだけど唯月ふうかちゃんがめちゃくちゃ可愛かった。

イキウメ『図書館的人生 Vol.4 襲ってくるもの』

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REVIEW

 襲ってくるもの。無意識に、意識を確実に侵食してくる。視界の端からじわじわと少しずつその違和感が広がってくる。衝動を抑えきれないことをなにか得体の知れない何かに突き動かされていると信じることはその何かが存在すると信じること。とても宗教的な意識を感じて戦いた。

映画『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

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STORY

6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、“世界最大の夢の国”フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーで職なしのヘイリーは厳しい現実に苦しむも、ムーニーから見た世界はいつもキラキラと輝いていて、モーテルで暮らす子供たちと冒険に満ちた楽しい毎日を過ごしている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく———
映画「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」公式サイト 2018年5/12公開 

REVIEW

真綿で首を締められるようなそんな気分だった。ムーニーが笑えば笑うほどきっとやって来る最悪な結末が受け入れられなくなってしまうことが分かっているから。まあその結末っていうのがこの映画の一番残念なところで、端的に言えば映画『エスケイプ・フロム・トゥモロー』を観た時のあの感覚が蘇ってきた。いやあの場所の使われ方は全く違うんだけど悪趣味な使い方してるなっていう感じ。伝われ。

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ヘイリー役のブリア・ヴィネイトはこれが映画初出演っぽいけど、心の中はまだ子供な感じがにじみ出ていてあれは演技ではなかなか出ないだろうなと思った。なんとなく雰囲気がハーモニー・コリンの映画に出てそうな女性。って思ったらマシュー・マコノヒーザック・エフロン出演のハーモニー・コリン監督作『The Beach Bum(原題)』に出演するらしい。分かる。っていうことからも分かるようにこの作品の配役がメチャクチャ素晴らしい。ムーニー役のブルックリン・キンバリー・プリンスは8歳にして素晴らしい経歴なだけあってさすがの演技力。ラストシーン、親友のジャンシーに会いに行って総てを悟ってしまったことを吐露するシーンではもう手を差し伸べることさえできないからつらくてつらくて。どんなことがあっても幸せになってほしいと思った。ジャンシー役のヴァレリア・コットは「監督から現場近くの量販店でスカウトされオーディションに参加した」ってなにそれすごい。厳しくも優しいモーテルの支配人・ボビーは彼自身家族と複雑な関係っぽいけど、だからこそヘイリーとムーニーをできるだけ守りたいという気持ちがありそう。ウィレム・デフォー様様。

日本の下層社会の作品っていうとこっちもそれなりに想像出来るし、良作でない限りしんどいから観たくないと思うんだけど、この作品ではそういうつらさはそこまで感じず、どちらかというとネグレクトもせず愛し合って生きていこうとしていた親子がどうして離れ離れにならないといけないんだろうっていう想いが強かった。でもどちらにも共通するのは下から這い上がることの難しさなんだろうなと思う。

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日本の映画だったらここらへんが素晴らしいです。『無垢の祈りは』親子関係が今作とは異なる系のしんどさ。

ショーン・ベイカー監督は『タンジェリン』からスピード感のある物語の巧みさと「どうにもならない人たち」の表現がうまいなと思っていたけど、今作で鮮やかな世界観とそれと相反するようなリアルな人たちを描かせたら間違いないなと実感した。

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あとこれだけは言いたい。ショーン・ベイカー監督はイケメン。

 

公式サイト

floridaproject.net

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「それからもう1つ、早い段階で気付いたことがありまして。“撮影現場に砂糖はダメだ!”って(笑)。子どもたちが超元気になっちゃうから。実は劇中に登場するアイスクリームやグミも全てシュガーフリーなんです。」 

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月刊「根本宗子」第15号『紛れもなく、私が真ん中の日』

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REVIEW

衝動的に、と言っても結構前の話だけど、ねもしゅーの舞台が観たくなってチケットを取った。橋本愛が出た作品ぶりかな。いつ行っても劇場に広がる彼女のアイドルっぽい持ち上げられ方が慣れない。

でこれがやっぱり面白かったわけです。当方、女子校出身なのであの女子のイチャイチャ感とか団結感とか見に覚えがあり、とは言え私立の女子校ではなかったからあんなに貧富の差でものを言われたことはないけど。あれだけの出演者でお送りするのは大変だともうけど、誰一人不要な役割はなかった。それ自体が女子校の塊みたい。静かにしていて殆ど何もしゃべらない子がいないと主役は成り立たないみたいなそんな雰囲気。そういう意味では確かに女の子たちの話ではあるけど、どっちかというと「主役になること」の方に注目して見ていた。始まるまでどんな内容かだいたい分からないねもしゅーの作品だけど、ビジュアルが出た時点で「誕生日の話なんだろうな~」くらいには思ってて、今日が誕生日の子を集めて何かが巻き起こる話なのかと考えてたらそうではなくて、ちゃんと一人の子の誕生日のお話でした。まあその子が主役かどうかは別として。なんていうか、どんな物語でも全体の主役とその瞬間の主役は別にいる時がある。特定の人が状況や身の上を話して注目してもらうような時間。話を進めるためには必要だし、誰もがそれに無意識的なんだけど、今回は起こる出来事総てに「今日は私が主役なのに」というヤマちゃん(誕生日のお金持ちの子)の視点があって面白かった。そういう観客の視野を広げるフォーカスの仕方が本当に上手い。さすがねもしゅー。ちなみにヤマちゃん(中学生)が高校の同級生にそっくり過ぎて動揺した。

主役のはずの日に人生の最悪を味わうことになったヤマちゃんには本当にドンマイの気持ちしかないし、ただそんなヤマちゃんにおせっかいを焼きまくるショウコちゃんの気持ちも分からんでもないし、正義感強めなサラちゃんのことは嫌いになれないし、モネちゃんは心配しなくても上手くやる子なんだろうなと思うし、モモコちゃんの家族はどうやってお金持ちを保ったのか(慰謝料的ななにかかな)気になるし、私が一番好きだった会長の本名を教えてほしい。

それにしても柿喰う客の福井夏ちゃん。作品中で「何かしでかしそうな子だ…」と思ってたらまんまとやられた。ヤバい奴には変わりないんだけど、彼女の存在も「人の気持ちになって考えるということはそんな簡単にできないし、場合によってはそれを拒否することもある。それが人間なんだ」ってことを上手いこと表現しているよなと思った。ヤバい奴なんだけどな。

やり取りに笑って最後は少しホロッとする。結局はねもしゅー最高なんじゃないの?

natalie.mu

作・演出:根本宗子
出演(五十音順):伊藤香菜、大竹沙知、岡美佑、尾崎桃子、川村瑞樹、小林寛佳、近藤笑菜、城川もね、椙山さと美、高橋紗良、チカナガチサト、中山春香、比嘉ニッコ、福井夏、藤松祥子、増澤璃凜子、森桃子、安川まり、山中志歩、優美早紀、李そじん

過去記事

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