取り留めもない

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モダンタイマーズ『嗚呼いま、だから愛。』

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モダンスイマーズ - NEXTSTAGE - 句読点三部作

REVIEW

愛されない、愛されたい。そんな風に思うのは周りにすがる人が居るからだ。それは友人かも知れないし、恋人かも知れない。でも誰もいなければ愛されたいなんて思いもしない。妥協で構ってくれるほどみんな暇じゃない。だからこそ多喜子の叫びはわがままに聞こえさえする。持てるの人間の悩みなのだ。確かに「不細工」なことがきっかけだったのかも知れない。けれどそれに甘えたのは多喜子自身だ。不細工のキャラクターをまとっていつも欲求不満。変なことばかり勘ぐって。まるで自分が手に入れられないものや、知らないことなどあってはいけないかのように振る舞う。

If you can’t love yourself, how in the hell you gonna love somebody else?(自分のことを愛せなくて、一体どうやって他人を愛せるの?)

今ちょうど、ル・ポールのドラァグクイーンレース*1を観ているからふと思いついたこの言葉。多喜子は姉から「不細工なのはアンタのせいじゃない」と言われるけれどそれが一番つらい。自分のせいじゃないとしてもそれを認めるのは自分自身なのだから。

『嗚呼いま、だから愛。』というタイトルにあるのは他人からの愛じゃなく、多喜子自身が自分に向けるためのただ真っ直ぐな愛なのではないかと思いさえした。