取り留めもない

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映画『ヴィレッジ』

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STORY 

夜霧が幻想的な集落・霞門村に暮らす片山優(横浜流星)は、美しい村の山に建設された巨大なゴミの最終処分場で働いていた。母の君枝(西田尚美)の作った借金の返済に奔走する一方、職場の作業員に目をつけられた優は、浮かばれない日々を過ごしていた。しかし、幼なじみの中井美咲(黒木華)が東京から戻ったことから、優の人生が変わっていく。

ヴィレッジ の映画情報 - Yahoo!映画

REVIEW

もう本当に藤井道人監督は主役の男を苦しませるのが好きだよな、とつくづく思った作品。

田舎で生まれ育って、そこから抜け出した自分からしたらそんなに「ムラ」に縛られるものかね、と思わないわけでもないんだけど、それは良いとして。もちろん横浜流星演じる優が肩身の狭い思いをしている理由を作った人間たちはまあ憎いんだけど、それよりも東京から出戻ってきた美咲のことが苦手だなと感じた。一種の正義感みたいな物で優を掬い上げようとしたり、優を慰めたりするのも全部自分よりも下を見て安心しているような、言うなれば雨に濡れて汚れて弱ってる犬を拾って育てるみたいな、そんな雰囲気さえして狡猾だなと。それで東京であったことを忘れようとしてたんだろうし、それはいいけどそういう変に優しいところにつけいられてしまったところもあるんだと思う。ファムファタール的な存在にも感じる。本当に「良い」キャラクター。

藤井監督作品って擬似兄弟みたいな組み合わせが多い気がする。それが今回は優と龍太(奥平大兼)、さらには恵一(佐間龍斗)のあたり。擬似兄弟を作っておいてめちゃくちゃにするのも監督の得意技な気がしてきた。なんて恐ろしい。余談だけど、奥平くんも作間くんもめちゃくちゃ良かったです。特に奥平くんは粗暴だけど心優しい雰囲気が滲み出ていた。

クライマックスで優は怒りに身を任せるわけだけど、あれは津山事件っぽくて気になりました。いろんな実際の時間を切り貼りしてることが感じ取れてしまって気になったのは事実です。ムラの嫌なところってもっと細かく陰湿なところだとも思う。喋ったこともない人も自分のことをよく知ってるとか、そういう恐怖。私もうまくは表現できないけど。

 

関係してそうな実際の事件

 

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