取り留めもない

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映画『私がモテてどうすんだ』

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恋ってなんなのかしら~~~~~~~~~~~~~~~!ってアニメ完走したときにも思ったのですが、花依ちゃんってよく考えたら不思議なキャラクターだよね。恋の感覚は分からないけど、恋愛のあれこれは分かるって?というところまで考えて実は花依ちゃんは男と男のクソデカ感情やプライドがさらけ出されるところが好きなんじゃない本当は?って思うようになってきた。ヤンキードラマとかヤクザ映画が好きなおっさんと同じ感じ。人を好きになる感覚がわからなきゃいくらなんでも萌えないんじゃない?あと、原作に忠実だと分かった上で、身近な人でカップリングできるのはかなりのツワモノだと思う。っていうかカップリングして妄想してるってことを本人たちに言っちゃう人間が性格が良いって言えるのか分からない…

というような部分は原作でも言えることだし、映画のあれこれには関係ないかなと思うので先に書いておきました。以下から映画の感想です。

どんな経緯でこの作品が映画化されることになったのか分からないですが、監督が平沼紀久ということもありめちゃくちゃ舞台寄りです。サッカー部じゃなくて演劇部が出てくるし、最終的にはカテコでエンドです。で、この改変がめちゃくちゃ良い。私モテって大体がルッキズムの話なんだけど、その話をギュッとまとめるために物語の中に更にヒロインを演じる人物を作ることで、今までルッキズムに無自覚だった(めちゃくちゃポジティブな子なので)花依ちゃんが自分の見た目の影響力に気がついて行動をし始めるという流れを作れている。それまでの花依ちゃんって自分の中で全てが完結してて、他との関わりがないから良くも悪くも他人から働きかけられることもなかったわけで。なんにせよ自分が変わらなきゃと思い立つくだりが原作より分かりやすかったと思う。

書き忘れてたんですけど、私モテは元々太ってる腐女子の花依ちゃんが、痩せて美少女の腐女子になってモテモテになるという話です。で、モテモテになってからの塩対応を見ていると『PRINCE OF LEGEND』の果音ちゃんを思い出してしまうんですよね。あっちでは奏様になびいちゃったけど、花依ちゃんは最後まで二次元の推ししか見えてません。そんな花依ちゃんを演じた山口乃々華ちゃんも富田望生ちゃんも可愛かったな~特に望生ちゃんは演技上手いし、『美食探偵』観てたから2号ちゃん///ってなった。

っていうかなんで六見先輩は新しい推しの名前知ってるん?ストーカーなの???吉野北人の顔してストーカーだったらこの世の摂理が狂ってしまうから止めてほしい。個人的にはふうじゅくんが演じる五十嵐くんが普通にかっこいいなと思うんですけど、まあ贔屓目で六見先輩が喋るたび沸いてしまいますよね。六見先輩、ルッキズムの影響下にもなく、ずっとフラットな視点で花依ちゃんを見守って、最後には特別な意味で好きになるというキャラクターですが、一個残念だったのは原作にあった「基本は他人に興味がない、だから優しい」という部分は残しててほしかったなと。そっちのほうがリアルだし、より吉野北人っぽい。吉野北人って言えば、映画に出ると謎ソロ歌唱を与えられるのが決まりなんですかね。(貴族降臨とか)アコースティックなロック調の私モテ主題歌がかかる度に笑った。

あと、二科志麻ちゃんめちゃくちゃ原作に忠実*1なのに、原作ほどに活躍しないのがもどかしかった...!あんまり百合展開好きじゃないからその点ではいいんだけど中山咲月ちゃん最高だからもっと見てくれってなった。

全然本編とは関係のない、舞台オタクに向けた個人的見どころを書いておくと、自転車が趣味の花依のお兄ちゃんを宮崎秋人が演じてたところですかね。映画始まる前に映画『弱虫ペダル』の予告やってたからより一層、「どんなこだわりwww」って思うくらい、自転車とともにお送りしてて悪ノリが過ぎるなと。好きですけど。他が映画用に自然な声音なのに、デカ目の声でハキハキと喋るのも面白かった。シュートについて知らない人からしたらめちゃ謎だろ。

オープニングとエンディングのミュージカル風シーンめちゃ好き。ダンスについては本気を感じるし、ああいう映像を魅せるのは得意なんだろうなと。思ってた何倍も楽しかったので実質0円です。腐女子に解釈違いを起こさない人だったら楽しめるかも。

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*1:比較対象はドラマ『ファイブ』の真人千和ちゃん