取り留めもない

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映画『お嬢さん』

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STORY

日本の統治下にあった1930年代の韓国。詐欺師たちの集団の手で育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、伯爵の呼び名を持つ詐欺師(ハ・ジョンウ)から美しい富豪令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドという仕事をあてがわれる。スラム街から彼女とそのおじが暮らす豪邸に移ったスッキだが、伯爵は彼女の助けを得て秀子との財産目当ての結婚をしようと企んでいた。結婚した後に秀子を精神病院に送り込んで財産を奪う計画を進める伯爵だが……。

映画『お嬢さん』 - シネマトゥデイ

REVIEW

想像してた50倍エッロ~~~~かった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(知能3)

ガールズムービーなるほどって感じの内容だったけど、なんかそんなのどうでもいいってくらいに画が良い。洋館と日本家屋の中庸。大正浪漫を感じるお屋敷に洋服と和服を交互に、ときに合わせて着る富豪令嬢(たまに『スーサイドスクワッド』のエンチャントレスる)。エログロナンセンスな世界観は決して乱歩ではない。もっと下等で下品な美しい世界。そこで令嬢が朗読するお話は言うなれば「富士見ロマン文庫*1」。誰かにとって重要でも、外から見れば滑稽なもの。映画自体もそんな作品だった。

ところどころ、イギリスのロマン映画、例えばロマン・ポランスキー監督『テス』(原作トーマス・ハーディ)*2を感じるシーンも差し込まれて、「ああ、多分そのあたりを目指してたのかな」とか、最後の方は川島芳子だなとか一人考えてた。と同時に、「澁澤龍彦が生きてこれを観たら何て言うんだろう」とも思った。それっぽいものを詰め込みすぎでお腹いっぱいなのだよ。全く考える余地がない。これについていかんせんと思ったらこの作品、原作があるそうで、そして監督のパク・チャヌクが原作にいろいろ感じて変更を加えているようで、「なんだ誰かの二次創作なのか」と思ったら詰め込みすぎなのはそれはそれで納得がいった。

チャヌク:原作の小説(サラ・ウォーターズの『荊の城』)を読んでいるときからすでに考えていたことがありました。『荊の城』は本当に上手く書かれている小説で、キャラクターの描写もすばらしいです。

ただ一読者としては、あまりにも前半の内容が良すぎたので、お願いだからこのふたりがお互いの本当の気持ちを率直に伝えて、ふたりでひとつになって男たちをやり込めて、楽しく最後はどこかへ行ってほしいと読んでいるときに思いました。最後は楽しいセックスで終わって、ふたりで楽しい場所へ向かってほしいと願いながら読んでいたんです。なので、今回の映画で描かれているクライマックスは読んでいるときから想像していました。それは絶対に映画のラストはそうしようという思いというよりは、そんな風に小説が終わってほしいなと思っていたんです。

映画『お嬢さん』パク・チャヌク監督にインタビュー:「抑圧されている状況の中で戦う女性こそが魅力的だと思っている」|ギズモード・ジャパン

良くも悪くもここまで思いのこもった二次創作に言うことはありません。いや待ってひとつだけ。イ・スヒョク*3の『お嬢さん』を観た感想がほしい。

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