取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

映画『At the terrace テラスにて』

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STORY

この95分間に全てが起きるのです―――
そこは東京郊外のとある屋敷のテラス。パーティーは終りかけ、残ったのは7人。豪邸の持ち主である専務とその妻とイケメン息子。透き通る様な色白の女性、はる子。その夫であるグラフィックデザイナーの男。胃を切り取ったばかりの中年男。エリートだけど恐らく童貞の会社員。彼らの腹の中に、それぞれに帰れない理由があった。
男たちははる子の「白い腕」に魅せられ、まるで蛾のように群がって離れない。そして、そのはる子にメラメラと嫉妬の炎を燃やす専務婦人。笑い声がさざめき、無事に終わるはずだった富裕層たちのホームパーティーはそれぞれの胸に秘めた秘密・欲望・妄想によってあらぬ方向に展開する。果たして無事にパーティーは終わるのか、その結末や如何に・・・

At the terrace テラスにて テラスにて » 新宿武蔵野館 

 REVIEW

なんていうかもう、この物語がどう面白いかの説明は、これが日本語会話劇の粋を結集したブラックユーモアに溢れた作品であったということでひとつ完了とさせていただきたい。観て。そして開始一分で薄ら笑いを浮かべてそのまま90分終わってたってなってほしい。言葉で表したくないんだこの作品についてはどうしても。

話の作り方とか展開として好きだなと思ったのは、「特筆して登場人物について説明しない」ということと、「90分間一度も時間が飛ばない」ということ。前者については、違和感のある説明なしでも、ここまで人間の脳は想像力で補うことができるんだと思ったし、後者については時間の広がりと物語の広がりは比例しないと実感することができてよかったなと。これからは存分に、無駄な説明と時間操作を加えた作品の拙さにばっさばっさと言及できる。勝手にしてろという話なのだけど。

アフタートークで、これは「映画的な作品」って言ってて、まあ確かに「舞台作品」っていう前提で考えればそうかもしれないんだけど、それでも私は映画側から考えて、舞台を観たことがない人に観てもらって、そこから本多劇場でもスズナリでも行ってもらうような相互性が生まれる「舞台的な作品」だと思った。例えば、『ラ・ラ・ランド』観た人で「ミュージカルを観に行きたい」と思う人があんまりいなそうだから「ミュージカル映画」と思えない、というような理由と同じ。

でもそんなのどうでもいい。ひとまず観て。モモンガがかわいいから!

公式サイト

attheterrace.com

関連サイト

aooaao.hatenablog.com