STORY
東京の下町にある中華料理店で働いている男性が、アルバイトの女性からいじめを受けている息子の相談に乗ってほしいと頼まれるが、高校生である息子は自分がいじめられていることを認めようとしない。一方、漫画家の青年は合コンで出会った劇団員の女性と曖昧な気持ちのまま一緒に暮らし始めたが、次第に愛情を抱き始める。
REVIEW
公開初日の土曜日。行きにくいこと極まりないユーロスペースに向かうとまさかの舞台挨拶付き。予告を見て興味を持っただけなのに。
観た。衝撃だった。なんで?と考えた。答えがない。出来事は常に唐突で、思い返す時間もない。走る彼が?そうかもしれない。消えるのは一瞬。理由もなく瞬く間に終わってしまう。その時に思い返すことができるシーンがぬくもりに溢れていればあるほど悲しくなるけど、そんなことは本人にはほとんど関係がない。
逆になんでそんなことを?と思うことも無駄な気がする。彼は彼の行動理由で動いただけであってそれが他人に理解されるかは別の話。それら全てかなり湿った熱量をもって画面に映していて、それがかなり苦しかった。違う世界のこととして突き放そうとしても、その現実感を前にすると足がすくんでしまうみたいな。そんな映画だった。