取り留めもない

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映画『わたしの幸せな結婚』

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STORY 

名家に生まれるも早くに実母を亡くした斎森美世は、継母と義妹から使用人同様に扱われていた。ある日、美世は御曹司の久堂清霞に嫁入りするよう命じられる。しかし、清霞はその美貌とは裏腹に、婚約者候補が3日で逃げ出すほど冷酷無慈悲だと言われていて……

わたしの幸せな結婚 | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品・上映情報 - 映画ナタリー

REVIEW 

目黒蓮くんの手から火が出るシーンを予告で見た時から気になってたので観てきました。

想像通り(?)、明治〜大正浪漫なラブストーリーなんかじゃなくて、映画の最初から「異能」という設定の説明からしてくるあたり、日本における歴史×ファンタジーの系譜を辿る作品なんだなと思いました。例えば『陰陽師』とか『魔界転生』『妖怪大戦争』、最近だと『刀剣乱舞』とかそのあたりの作品に近いと思います。もちろん、胸キュンなシーンも多分にあるんですけど、その余韻に浸る間もなく手から火や水を出したり、なんで人を吹き飛ばしたりするのでそんなシーンどうでも良くなる。本当に。でも、自己肯定感が鬼ほど低いけど、基本は健気で化粧っけのない良い子の役を演じた今田美桜ちゃんに、目黒蓮くんの役と共に癒される気持ちになるので、だんだん親のような気持ちになってきて、最終的には「よかったね〜〜〜!」という感想に着地しました。とはいえ、話は全体的に混沌としていて、正直今作では歴史ファンタジー部分は走り出したばかりなので続編を強く希望します!!!新婚編という仮の名目でまたみんなを惑わせてほしい!!!お願いします!!!

 

ここからガッツリネタバレします。

 

やっぱりこの物語の軸は暗躍する闇の組織とその組織から人々を守る異能の者たちというところなので、ますます個人的には刀剣乱舞だ...となったわけです。それに加えて小越勇輝くんが出てきてもう「堀川国広じゃん」って言いました。あとそう感じる理由として、美術やCG、帝側のキャラクターの作り込みがよかった。死に絶えそうな帝を石橋蓮司が、その若い息子をなにわ男子の大西くんがやっていてなんか「わかるわ〜」となったんですよ。特に大西くんのサイズ感とか顔の雰囲気とか、中性的な感じとか本当わかる。帝。それしかない適役感。あとは帝につく医者役が尾上右近というのも良かった。最初から胡散臭くて好きでした。闇っぽい感じを顔色の悪いおじさんの大群で表すのも気持ち悪くて良かったです。全体的に演出はめちゃくちゃ好みでした。ただ胸キュンシーンの直後にそういうシーンが来るので笑ってはしまうのですが。

とはいえ、アクションシーンは期待したほどではなかったというか、思ったほどこだわりがないんだろうなと思いました。どちらかというと、背景にある関係性とか状況とかを薄っすら見せることでエモくしようとしている感じで、意図が伝わりすぎてしまうというか。「どうせ目黒くんが生き残るし、美桜ちゃんが助けてくれるんでしょ」と思ってしまうので展開にドキドキもしないというか。どうせやるならもっと派手に熱くしてほしいですね。その中でも、私がこの映画で一番好きなシーンになったのは「ベレー帽の将校がジャンプして結界を張るシーン」で、あのシーンがあったのはかなり良かった。マジでかわすぎる。

ラブストーリーと歴史ファンタジーが半々になってることで、私は歴史ファンタジー要素が弱いな、というか話が全然進んでないな、と思ったのですが、ラブストーリーメインで期待してた人はラブストーリーとしても物足りない気持ちになっていやしないかと思うんです。だから最初に戻りますがかなり続編待ってます。というかある感じのラストシーンだったじゃん。頼みます。ということで『わたしの幸せな結婚』が令和のトンチキBIGコンテンツになることを期待して終わります。

 

P.S. わがままでとてつもなく嫌な令嬢を演じていた髙石あかりちゃんが本当にかわいかった。好き。

 

さらに追加、個人的に一番似てる既存コンテンツと思うのは『華鬼』でした。そして『薄桜鬼』でもある。

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