取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

舞台『正偽の芸能プロダクション』

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STORY 

小さな芸能プロダクションを経営する男。そこに所属する売れかけの芸人コンビ、元俳優、タレント。
様々な人の人生が交差し、時には残酷なジャッジをしなければならない。
正義も時には偽善となり、人を狂わせる・・・

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REVIEW

今の私の趣味がいっしょくたになった舞台を観てきました。

私は一般人なので芸能人の苦しみなん体感したことないけど、この舞台を通してかなりリアリティを持って感じることができた。人間である前に商品であり、全てを捨てて目標に突き進まなくてはいけない。現代の生き方とは到底思えないけど人気商売だし、そこに人間の好き嫌いが大きく関わってくるなら「好かれる」ように整えなくてはいけない。例外もあるだろうけど、そんなのは一握りで結局その他大勢はそういう狭間で上手いことやってくしかないんだろうと思う。応援している人が出ているからこそ改めて知りたくなかった。というか自分自身が芸能人に「潔癖たれ」とやっぱり思っているところがあるんだなと感じてつらかったのかもしれない。人間なのにね。とはいえ、この物語全てが良い方向に向かって終わらないからなおつらい。リアルなのかと言われると、クライマックスで「伏線回収」したところはあまりにも物語過ぎて笑ってしまったから微妙なんだけど。とにかく後味が悪い。因果応報なのかな。みんな必死で生きたのにね。という感じで何とも後味の悪い作品でした。悪くない。

一方で、チラチラ出演者の実体験と参加するような内容で「これは誰得なんだ」とはなった。そんなのメタ的な薄寒い感動を作り上げてしまうだけじゃないかと思う。りんたろーさん本人だってこんなことしなくたって乗り越えてだからこその今があるのに。教訓があるのか?別にこの物語で起きたことで学んで成長したんじゃなくて、アオイ(りんたろーさんの役)という人物のポテンシャルが高かっただけな気がするし、なんとも。ここは面白くなかった。

ヒビキ役はとことん嫌な奴っていうか怖い奴で、何度か更生を願ったんですけどダメでしたね。悲しい。ただ、演技含め山彰(山本彰吾)さんこんなに上手いんだ?!ってなってました。ETERNALも見たはずなのに現代劇で感じる上手さ。こういう役見てみたかったやつっていうのもわかる。

本業が俳優じゃなくても今田さんの演技にめちゃくちゃ引き込まれたし、この作品唯一の救いの存在の平井さんのキャラクターや演技もとても良かった。平井さんはシソンヌのじろうさんみたいな俳優仕事もっと見たいし、めちゃくちゃハマりそうって思ったんですけどどうですか?あと、アドリブシーンがよかった。あの瞬間だけ男性ブランコの平井さんだった。たしかにあれを毎回変えてるんだと思ったら尊敬する。さすが。

期待値がかなり低かっただけあって「面白かった」っていう感想になってるけど、あの脚本家が人の人生で物語を作って脚本家を名乗るのがお家芸過ぎてクソ寒いので、金輪際応援してる人たちとは関わらないでほしい。おわり。