取り留めもない

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映画『そばかす』

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STORY

私・蘇畑佳純(そばた・かすみ)、30歳。
チェリストになる夢を諦めて実家にもどってはや数年。 コールセンターで働きながら単調な毎日を過ごしている。
妹は結婚して妊娠中。 救急救命士の父は鬱気味で休職中。 バツ3の祖母は思ったことをなんでも口にして妹と口喧嘩が絶えない。 そして母は、私に恋人がいないことを嘆き、勝手にお見合いをセッティングする。

私は恋愛したいと言う気持ちが湧かない。 だからって寂しくないし、ひとりでも十分幸せだ。 でも、周りはそれを信じてくれない。

恋する気持ちは知らないけど、ひとりぼっちじゃない。 大変なこともあるけれど、きっと、ずっと、大丈夫。
進め、自分。
映画『そばかす』|「(not) HEROINE movies」オフィシャルサイト

REVIEW

30年間一緒に暮らしていても娘の想いとか志向性に気付けないものなのかな、とは思うものの、理解できると受け入れるは違うと思うので、仕方がないのかもしれない。そんな私に対しても私の親はどう考えているのかわからない。自分が全くこんなんだから、久しぶりに連絡してくれた人たちが結婚してたり子供ができてたりすることに毎回新鮮に驚く。こんなにいろんな生き方があるのに30歳ってそんなに節目にならなきゃいけないのか。しかもみんな一様に。過半数であるということはそれが望まれているからということでもあり、人って寂しがりやなんだなと心底思う。

この映画の中の佳純も別に私とおんなじわけじゃない。良い距離感の友達と暮らすことで何か変わると私は到底思えないし、そんなことしたくないし。ただ、親友が結婚した時に私は確実に「彼女を奪われた」と思った。私のものでもなかったのに、しっかりとそう感じた。そして言葉にも出した。唯一の感情だと思ったから。彼女は嬉しそうにしたけどそれだけ。私にとってもそれだけ。

最近観ているドラマ『今夜すきやきだよ』でもAセクシャルの女の子が、友達とのシェアハウスがその子の結婚によって終わることを悲しんでいた。変わることって嫌だよね。そう思って、あの時から何となく漂い続けた私の感情にもピリオドを打った。終わらせるには客観的に見るしか方法はなかったんだと思う。

私はAセクじゃないと思うし、とはいえ人暮らすことは親でもストレスだと思っているので完全に共感した、なんてことないんだけど、確かに思うのは生きるのはままならないなってこと。変わることは恐ろしく疲れるということ。30年も生きてきてしまったからね。