STORY
1980年代のポーランド・ワルシャワで、人間たちを捕食して生きる美しい人魚姉妹は海からあがりナイトクラブにたどりつく。ストリップやライヴ演奏を披露する大人の社交場で、ふたりは得意のダンスと歌を披露し、すぐにスターになる。そんななか、姉シルバーはベーシストの青年ミーテクと恋に落ちる。初めての恋に浮かれるシルバーだが、妹ゴールデンは、そんな姉を複雑な眼差しで見つめていた。人魚にとって、人間の男は“餌”でしかないからだ。やがてふたりの間に生じた緊張感は限界に達し、残虐で血なまぐさい行為へと彼女たちを駆り立てる……。
REVIEW
先週から引き続き少女が人肉を食べる話を観てしまった。
っていうか人魚姫の話ってこんなにも無茶苦茶だったっけ?って言うくらい謎な描写が多かったけど、それさえ「アイディアの洪水」だと思えれば音楽にビジュアルにめちゃくちゃお洒落で心が潤う作品だった。でも『人魚姫』ってもうちょっと切ない話だった気がするんだよな。話の大筋は変わってないから切ないのは切ないんだけど、それ以上に差し込まれるトンデモ展開になんの意味があったのかな(ブドウ糖の点滴のあたりが最もモヤった)って考えちゃってもう。意味があるのかも知れないけど意味ありげ過ぎて考えたくないみたいな意地が出てきてしまった。へんてこな映画だよ。10年くらいしてカルト映画の仲間入りするよ。
音楽の使い方とか、画面の色気とかがどことなくグザヴィエ・ドランの作品に似ていた。荒削りだけどアイディアに溢れていて、今後の作品が楽しみな監督。