STORY
1990年代半ばのロサンゼルス。13歳のスティーヴィーは兄のイアン、母のダブニーと暮らしている。
小柄なスティーヴィーは力の強い兄に全く歯が立たず、早く大きくなって彼を見返してやりたいと願っていた。
そんなある日、街のスケートボード・ショップを訪れたスティーヴィーは、店に出入りする少年たちと知り合う。
彼らは驚くほど自由でかっこよく、スティーヴィーは憧れのような気持ちで、そのグループに近付こうとするが…。
REVIEW
スケートボード映画2本目。噂によると、『mid90s』の公開にあわせて『行き止まりの世界に生まれて』が公開されたそう。わかる。
こちらはフィクションだからかなりドラマティックな作品になっている。ジョナ・ヒルという監督のことはよく知らなかったけど、もとは俳優で今までの作品一覧見るにコメディ作品が多い人なのかなと。そこでなんでスケートボードの映画?と思わなくもないけど、スケートボードに何か見出したんでしょうね。それは分かる。
制作A24で俳優も若手有望株のルーカス・ヘッジズを投入しながら、主役は子役のサニー・スリッチ。彼がキャップのつばを後ろにしてかぶってるのを見たときに『パラノイド・パーク』を思い出したのは私だけじゃないはず。
で、私はそれほどアメリカのプロスケーターを知らないのでこの映画の客層があまりにスケーターだったことに驚いてたんですけど(少なくとも『行き止まりの世界に生まれて』は映画玄人の方が多かった)主役級の俳優にOdd Futureの創設メンバーでSupremeでも活躍したNa-Kel Smithなんかの有名スケーターが出ています。まあめちゃくちゃうまいなとは思ったんですよ。確かに、ここにも居たわ、Na-Kel Smith。
この映画、映画祭かなんかで最初に日本で公開されてから全国公開されるまでめちゃくちゃ待ったし、待っただけあるなって内容だったとは思う。物語としてはシンプルだし映像も美しい。クライマックスでみんなでビデオを観るところはどう考えても最高だったし、あれ以外の終わりはない。けど、ある程度手垢のついた話に思えてしまったのは、その前に『行き止まりの世界に生まれて』を観てしまったからかなと思う。このあとも人生は続いていくし、もっと乗り越えなきゃいけない壁がある。人生は複雑で大変なものです。なんて。
2020年9月9日:追記
適当に感想書きすぎたなと反省。自分の記録にためにもちょっとだけ加筆。監督のジョナヒル半自伝的な作品になっていると言われているけど、その眼差しはスティービーで存在的にはフォースグレード、でも実際はルーベンののように羨望やら嫉妬を抱えていたんだろうなと邪推。あくまで描きたかったのはレイとファックシットのような存在のかっこよさだったんだろうなと。ヒリヒリするようなかっこよさ。そのうちそれぞれが別の道を歩んでいくことも想像しながらスクリーンを観ている自分のことを思い返す。90年代を駆け抜けて、大人になっていく登場人物みんな刹那的なかっこよさだった。
映画観る前はこのポスターみて「かっこいいな〜」くらいだったんだけど観終えてから見ると「なるほどこれは彼が撮ったのか」と思うし、その彼が監督のジョナヒルでもある気がする。#mid90s pic.twitter.com/jIajC8GL2M
— 青 (@haiyukawaii) 2020年9月8日
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まこっちゃん観に行かないかな…行きそうだけど絶対オタクには観たことを教えてくれないと思う。