取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

OFFICE SHIKA PRODUCE『おたまじゃくし』

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REVIEW

舞台は住民をなくした文化住宅。売れないメタルバンドでボーカルを務める小森憲一(鈴木裕樹)はなくなった父親の遺品を片付けながら、父親と自分の過去を思い返し、と同時に「精子無力症」である自分を受け入れられずにいた。そんな中、目の前に現れたのは自分の息子を名乗るアキノリだった。

なんだかちょっと古臭い。と同時に感じる懐かしさと気恥ずかしさ。どことなくキャラメルボックスの作品に似ている。丸尾さんは親子、兄弟を描くのが好きなんだなと思う。本当にどこかにいるかのような普遍的な親子。ただ今までのOFFICE SHIKA PRODUCE作品の中ではミラクルが多い作品だったし、そのことがリアリティを失わせていた気もした。人生はこんなにも分かりやすいものなのか。連綿と続いていくものなのか。そうは思えない。

ずっきーを久しぶりに舞台で観た。飄々としているようで情に厚い。憎めないけれど優柔不断なところは天性のクズさを感じさせた。っていうか鹿殺しの良さは生バンドだと思ってたのに、バンドモノなのにバンドなしなんかい。そしてあれはメタルじゃなくてパンクやろ。どうでもいいけど。シュートミヤザキはまたしても天真爛漫な少年。ちょっと飽きてしまう。私は違う側面が観たいぞ。

そう簡単に「幸せな」話を受け止められなくなってきた今日このごろ。