取り留めもない

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映画『アイスクリームフィーバー』

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STORY 

常田菜摘(吉岡里帆)はデザイン会社に就職したが仕事がうまくいかず、今はアイスクリーム店のバイト長として働いている。あるとき、菜摘は店を訪れた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、彼女のことが頭から離れなくなる。菜摘の後輩・桑島貴子(詩羽)は、そんな彼女に対して複雑な感情を抱く。一方、アイスクリーム店の近所に暮らす高嶋優(松本まりか)は、久しく連絡を取っていなかった姉・高嶋愛(安達祐実)の娘・美和(南琴奈)の突然の訪問を受け、彼女と共同生活を始める。

アイスクリームフィーバー の映画情報 - Yahoo!映画

REVIEW

お洒落で可愛くてキラキラしてる。『君たちはどう生きるか』を観た後でそういう映画が観たかったからドンズバで良かった。

 

女に夢を見過ぎだろうと思うところもなくはないけど、女子校出身の自分からしても感覚は分からなくない関係性だったと思う。アイスクリーム投げ合うのは比喩的な表現だと思うし。川上未映子の世界といえばそうかもしれないし。リトルモアの『真夜中』で連載してたのもわかる。リトルモアで映画化してたらもっとわかる。

 

こう言ってはなんだけど、ストーリーなんてあってないようなもの。仕事で挫折した菜摘はアルバイトしているアイスクリーム屋で不思議な雰囲気の客の佐保と出会う。友情とも愛情とも分からない感情が紡がれる中で、ひとつの結末を迎える。と同時にアイスクリームをきっかけに関係を作っていく優と美和の話が並行で進んでいって、どちらも女性たちがさまざまな方法で前に進んでいく話。原作を読んでないから分からないけど、アイスクリーム屋を舞台にした短編なんだろうなと。それが2つくっついた感じ。映画の手法としては珍しくないけど、繋げ方がうまかった。ほどよく時系列に悩んだのも含めて。

 

それでいてこの作品の際立ってるところはやっぱり映像と出演者だと思う。先にも書いたけど、お洒落で可愛くてキラキラしてる映像を大体100分続けられるのは普通にすごい。一瞬もダサくない。恥ずかしくなるような台詞はあっても、それが映像と整合性が取れているから嫌じゃない。それって本当にすごいことだと思う。グザヴィエドラン作品みたい。あと、渋谷PARCOが製作に関わってるだけあって、あんなドブみたいに汚い渋谷が綺麗に映ってて感動した。渋谷周辺のリノベマンションに住むQOLが馬鹿高そうな人たちの生活が見ててマジで辛いときもある。アイスクリーム屋のバイトが住める家なのか...?

 

そして出演者。吉岡里帆が可愛いのは理解しつつ、それでもこんなにキュートに見えるのは作品の力もあると思う。松本まりかもそう。ずっと可愛い。家着で銭湯行くだけでかわいい。白湯メイクというのか純欲メイクというのか。田舎から出てきた姪すらかわいい。まあ安達祐実の子供の設定だからな。細かいところの脇役もマジでわかってるなという感じで、片桐はいり後藤淳平ジャルジャル)、はっとり(マカロニえんぴつ)、詩羽(現水曜日のカンパネラ)、コムアイ(元水曜日のカンパネラ)、藤原麻里菜(無駄づくりの人)ってそんな盛り盛り過ぎる。あとはなんと言っもモトローラ世理奈は美しい。あの有無を言わさず周りを狂わせていく存在は松田龍平みたいだなと思った。映画の中でも佐保としているだけで様になるのはすごい。

 

観終わったら確実にアイスクリームが食べたくなる。特にこの映画みたいにスパイシーで変わったフレーバーの。

 

追記 たべた

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