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映画『ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-』

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STORY

密入国して東京に住んでいる外国人が自分たちを守るべく組織した裏都庁。その異邦警察「ディアスポリス」の警察官であり、国籍不詳の久保塚早紀(松田翔太)は、誘拐された裏都民マリアの監禁先を見付けたものの彼女は殺害されてしまう。殺害現場から逃げたアジア人犯罪組織「ダーティイエローボーイズ」の周(須賀健太)と林(NOZOMU)を追った久保塚は、地下教会が二人の手掛かりを握っていると知るが……。

 映画『ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-』 - シネマトゥデイ

REVIEW

観ている途中で、そういえばこのなんでもカッコつけてきて、ここで笑えと言いたげなコメディ要素をもってくる松田翔太と相性が悪すぎて、ドラマ観るのやめたんだったって思い出した。このタイミングでかよって自分でも思った。主役がそういう感じだから、基本的に全部「かっこいい」というに値しますっていうのを押つけられる息苦しさみたいなものがあった。ある程度のどうしようもない滑稽さがないと、本当のカッコ良さって際立たないじゃない?まあでもいいんです。そんなことより、目当てに観に行った須賀健太くんが最高だったから。

須賀くんはアジア人犯罪組織「ダーティイエローボーイズ」のリーダー周。片目が見えないハンデがあるけど、それをカバーして余りある頭脳と冷酷さを持ちクレイジー。少数ながら怖いものなしのチームを率いている。その相棒の林(NOZOMU*1)は吃音気味で日本語も上手くないが、背が高く度胸があり、兄弟のように育ってきた周に絶大なる信頼を置いている。正直、この二人の物語だったので最高でした。

閑話休題、「ダーティイエローボーイズ」にあとフィリピン人と韓国人がいたんですけど、韓国人は木原勝利*2さんで、これも良かった。元はめちゃくちゃカッコいいのに薄汚れた異邦人感出せるのすごい。

すごくない?

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話を戻して、周と林の共依存っぷりとお互いの安定剤感が良い塩梅で、身長も凹凸で、なんとなく周の耳たぶ触る林とか、周にアイスクリームを嬉しそうに買ってくる林とかめっちゃ可愛くて、本当に放っておけないってなるのわかるわって感じ。めっちゃ人殺しだけど。こういう、兄弟ではないけど幼馴染よりもつながりが強いっていう関係を見てると、『鉄コン筋クリート』のシロとクロ*3だなと思うのは世代なんだろうか。でも、どっちかが頭が切れて考え方も大人びているとしたら、もう片方は大体白痴かっていうくらい純粋無垢っていうのが定型なのはいつでも変わらないのかもしれない。同じような作品で言うと、ドラマ『QP』のトム&ジェリー*4も近いと思った。単体として須賀くんのクレイジーな周を見てると、自然と映画『シマウマ』のアカを思い出した。アカよりもずっと人間っぽいのに、人を殺すことに理由と躊躇がない分出くわしたくない度は高いのが周だった。クライマックスで周がヤクザの若頭に、ヤクザの一人を殺したのは周か林かどっちかって聞かれるところ、こっちは始めに出てくるシーンの中で見ていてどっちなのか知ってるから、あとは周がどう答えてどういう幕引きを望むかっていうことを、観客としてじっと見つめるのは苦しかった。最悪ではあるんだけど、彼の演技から痛いほど伝わってくる想いに、これで良かったんだと思わざるをえなかった。はぁ。

 須賀くんのファン、こういうキャラクターに耐性ありそうだからみんな観た方がいいよって思う。あ、真木蔵人は渋くて最高でした。

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