取り留めもない

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映画『シマウマ』

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STORY

以前、美人局で金を稼いでいた竜夫(竜星涼)のもとに届いたメール。それに添付されていた原型をとどめぬ仲間の顔とアバラ骨を目にした彼は危険が迫っているのを察知するものの、アカ(須賀健太)という男に拉致されてしまう。彼は復讐(ふくしゅう)を代行する回収屋で、依頼者は、かつて竜夫が美人局で引っ掛けた上に、大けがを負わせたヤクザだった。だが、アカは竜夫に依頼者を殴り殺せば命を助けると持ち掛ける。後には引けないとヤクザを撲殺した竜夫は……。

映画『シマウマ』 - シネマトゥデイ

REVIEW

闇金ドッグス3』『ディストラクション・ベイビーズ』と暴力と暴力な世界が続き、さらに追い打ちをかけるような『シマウマ』。正直一番期待度は低かったけど、エンタメとして一番面白かった。どうでもいいことから先に書いておくと、小澤亮太と上杉柊平のシーンで男性9割の劇場の中で一人だけ笑ってしまって駄目だった。ちゃんと言ってくれないと本当に困る。そして双方のファンには絶対に勧められない。どっちも顔半分出てないみたいなもんだしな。以上、どうでもいいことでした。

 

物語としては悪さばかりしていた主人公が本当の裏の世界に足を踏み入れ、その中でたくましく生きていく話なんだけど、どうしてそんなに悪くなったのかとか、どこで覚悟を決めて回収屋として生きていくことにしたのかまあよくわからない。漫画だったら何かそこら辺の言及もあるのかもしれないけど、映画だけ観たんじゃわからなかった。本性がそうだったという感じなのかもしれないけど、それはもし続編があったときにでも教えてほしい。

そんなことより何より、主演のドラ(竜星涼)が真っ黒すぎる悪役で、ひるまず殴るし刺すしいたぶるし、そこら辺総じて楽しかった。ちょっとカッコつけでキザな感じも気に障るし、本当にかっこいい。かっこいい人ってちょっと癪なくらいがちょうどいいと思うんだ(個人的な感想です)。

それと対になるような存在の須賀健太演じるアカの気グルな感じがもう本当にすごかった。あれやってて楽しいだろうなと思う。須賀くんと言えば「スリーピース」の世代なので、そこからハイステに出たりなんだりはしても悪役は見慣れないから余計にワクワクした。アカは高校のころホモ疑惑で同級生に虐められてて、自殺しようとしていたところを救ってくれたドラに心を開いたら、実はドラもアカを嵌めていて、それを知ったアカはドラへの憎しみと共に気グルになっていくという設定がツボ過ぎて。回収屋同士は仲間じゃないから助け合うこともないけど、ドラが危険にさらされると「殺しちゃだめ」と邪魔に入る。理由はひとつ、「ドラは自分が殺す」と心に決めているから。あれでしょ、美味しいものを後に残しておいたらいつ食べればいいか分からなくなるみたいに、そのうちいつ殺せばいいか分からなくなっちゃうんでしょ。っていうか、自分でドラにつけた傷跡を舐めるのは反則だろ。あとドラが女といちゃついてるところを見てるのも駄目だろ。本当にアカの性癖が心配です…。ということでドラにめっちゃくちゃ執着しているアカと、そういうのマジで無理そうなドラの関係性がとてもめちゃくちゃ好きなので、利害関係でも恋愛関係でもない、「それ」をぜひ育んでいってほしい、そうしてちゃんと決着をつけてほしいと思いました。

残酷だし、グロいし、若干ホラーだから何されてもOKな強度の強いファンか、そういうのが観たい人にしか勧められないけど、2回目観てもワクワクする自信あるので私はもう1回観たい。