取り留めもない

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映画『海の夜明けから真昼まで』


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STORY

都心から少し離れた寂れた港町で、“ある男”が起こした監禁事件。
被害者の女子高生、工藤麻衣は、学校に復学するも浮いた存在となっていた。
そんな彼女に唯一話しかける同級生の氏家。
彼もまた、度重なる問題行動を起こし、学校に馴染めていない一人だった。
そんなある日、クラスメイトからの陰湿な嫌がらせに対して、暴力で対抗しようとする氏家。
その様子を目の当たりにした麻衣は、“ある男”の言葉を思い出し、行動を起こす。
監禁生活で麻衣が受け取ったものとは―。
そして彼女が起こした行動の本当の意味とは―。
ある男、麻衣、氏家。三人が複雑に連鎖し、思いもよらぬエンディングに向かっていく。

海の夜明けから真昼まで - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

REVIEW

いつの間にか観たい作品として登録していてこれも何かの縁と思って観に行った。

センセーショナルな事件とそこから繋がれた希望と救い。その瞬間に考えていることが総てだと思ってしまう幼さはもうないけれど、そんな風に思える無垢さが羨ましくもある。今の私に託されても頭でっかちに考え過ぎてなにも救えないかもしれないと素直に思った。ところで27歳=死というイメージはどこまで伝わるのだろうか。誕生日を迎えて家を飛び出した男の安否を真っ先に気にした自分だけどよくよく考えたら不思議だなと。

原作が短い作品(今回は漫画)で、肉付けして一つの作品にしていくスタイル、最近だと『アイスクリーム・フィーバー』に近いなと思ったし、この作品に対する熱量の高さは自主映画ならでは。自分の作りたいものを作るという気持ちがひしひしと感じられる。それが実現しているってだけで本当にすごい。

役者さんたちも印象的で、特にポスターにもなっている女子高生の麻衣を演じた羽音さんと、その同級生の氏家を演じた上村侑さんが心に残った。大人になってしまったので、拙いコミュニケーションにどうしても違和感を感じてしまうのだけどそれがリアルなのかもしれない。上演後のトークイベントで上村さんは氏家とは正反対のキャラクターと聞いて、役者さんってすごいなと思った。嫌で生意気な高校生でしたよ本当に。

少しだけでも誰かに何か伝えてみることは本当に大きな変化を作ることに繋がってるのかもしれない。