取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

映画『YAKUZA』『荒ぶる魂たち』『蛇の道』『蜘蛛の瞳』

YAKUZA

アメリカ人が日本のヤクザと対立したり共闘したりする話。高倉健が出てたりするのでトンデモジャパンとかではないのが良いところだけどとはいえ別に面白いというほどでもなかった。仁義だなぁという感じ。

 

荒ぶる魂たち

三池崇史監督のヤクザ映画。Abemaで観られるから観るか〜と思って観はじめたらこれが大当たりだった。

加藤雅也が演じる武闘派ヤクザが親を殺されてしまったことをきっかけに復讐に命を燃やしていくというという分かりやすい話なんだけど、とにかく武闘派ヤクザ側がかっこ良い。不義理なヤクザは本当にとことん汚く描かれていて見やすい。実際、やっていることはしょうもない殺し合いであることは変わらないんだけど、こういう作品において狡賢く行動する人間はマジでかっこ悪い描かれ方するのかなり良い。

そんな中でも一番汚いのは監督が演じる覚醒剤中毒のヤクザでした。あれはひどい。三池崇史が自分でやるしかないほどの最低さ。良い。初期三池作品の良さが溢れてた。でもひどいキャラクターはそいつくらいで、あとはそれぞれかっこ良かったり、哀しかったりで愛おしく感じるはず。私は大親分が非常に好きでしたし、竹中直人のヤクザも好きだった。でもやっぱり加藤雅也。このキャラクターでもっとシリーズ化して欲しいと思ったら別の話だけど『許されざる者シリーズ』というのがあるらしい。観るしかない。

という感じで、またひとつ三池崇史を見直した作品でした。

 

蛇の道

これもAbemaで配信されてて黒沢清の作品だからという理由で観た。最高だった。

娘を殺された父親とそれを復讐を手助けする男の話なんだけど、その2人がとんでもなく狂っていてすごく良かった。コンスタントに拷問描写が挟まっているものの、その描写が結構無味乾燥としていて、実はどろどろしている内臓の中を見てるのにそこまで脂っこくないみたいな不思議な感覚。そのまま最後まで走り抜けていくとその中身が吹き出してくるようなおぞましさがある。確かに高橋洋のいやらしさがあった。

ネタバラシ的なところで純粋に驚いたし、全体として面白かった。あんまり人におすすめできないけど描写が苦手でなければ見て欲しい。

 

蜘蛛の瞳

蛇の道』の続きというから観たけど期待は超えなかった。

正直、『蛇の道』と比べたらロマンチック過ぎて好みではなかった。むしろこれ単体だった方が好きだと思えるかも。それくらい前作の方が魅力的だった。早々に主人公の生きる目的が奪われてしまったことが原因だとは思うのだけど、執念が消えてしまって個人的にはつまらないなという。全体的に抽象的になっているからそれだけ色々考える余地はあるけど。