取り留めもない

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映画『ミンナのウタ』

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STORY

人気ラジオ番組のパーソナリティを務める「GENERATIONS」の小森隼は、ラジオ局の倉庫で「ミンナノウタ」と書かれた古いカセットテープを発見する。その後、小森は収録中に不気味なノイズと少女の声を聞き、行方不明となってしまう。事態の解決を急ぐマネージャーの凛は、元刑事の探偵・権田に捜査を依頼。メンバーたちに話を聞くと、彼らもリハーサル中に少女の霊を見たという。やがて霊の正体は「さな」という女子中学生であることが判明するが、彼女が奏でる呪いのメロディによって恐怖の連鎖が引き起こされていく。

ミンナのウタ : 作品情報 - 映画.com

REVIEW 

思っているより怖いという触れ込みで観たけど、GENERATIONSやLDHを知っていれば知っているほど面白いポイントが多くて本当に困った。事務所内を映像として使うとか、マキタスポーツに出して上手いと言わせるコーヒーがアメージングコーヒー*1とか。まあそういうのなしにしても全体としてめっちゃ怖いとかではなかったけどいいところも多かった。期待がそんなに高くなかった分。

ひとつは主となる霊的存在の「サナ」がまあまあ狂った女だったこと。最期ちょっと湿った感じになるけど基本的にはヤバい奴だった。歌を聞かせたいんか、魂の音を聞かせたいんかどっちなんだ...本当に何が目的なんだと思わずにはいられない。でも深い訳があって怨霊化したとかいうのはホラーにマジで要らない設定だと思うからここは良かった。見た目としても顕然化する時にコードを首に巻き付けて口から垂れ流して斜めに浮遊してくるもの良かったし。こういう怖がらせるアイディアの面白さは清水崇の良いところだなと思う。あとはサナの母親も意味もなく怖くて良かった。若干のジャンプスケア感はあるものの、お母さんのヒス構文に則ってる感じもあってリアル。

逆にこの作品に感じる清水崇の嫌なとこだなと思ったのはあまり必要のないところで出てくる「俊雄」という弟で、それはもう『呪怨』じゃんと思ってしまった。俊雄を貞子みたいにミーム化しようとしてるのかもしれないけどそれはどうかな...少なくともこの半ばアイドル映画みたいなホラーでやるにはごちゃごちゃし過ぎるなと思った。

最後に、知ってはいたけど2人いるGENERATIONSのボーカルの片方だけ一切、なんにも、まったく触れられていないのが一番怖かったです。そういうのを怖がる映画なのかと思ました。

個人的にはこの曲は結構好き。

 

 

余談だけど、歌もののホラーといえば『伝染歌』なのでそっちもあわせて是非見て欲しい。松田龍平伊勢谷友介の美学が冴え渡って、美少女が焼身自殺するシーンが見られて『ミンナのウタ』よりはかなり本気(マジ)なので。

あとはテレビ東京に関係してて、倉庫にある過去のデータを掘り起こす話だと、村上虹郎主演の『デッドストック』も思い出した。こっちにも『ミンナのウタ』同様に早見あかりが出ていた。オススメ!