取り留めもない

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熱海殺人事件ラストレジェンド

 


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まずはおかえりなさい!荒井伝兵衛!!!!!!!!

持っていたはずのチケットが無効になって約1年。その時よりも東京の状況は数倍悪いのだけど何故か劇場は幕は開いていて。申し訳ないけど新宿に行かないことなんてできなくて。だから行ってきたことに後悔はないです。ほんとこのくらいしか今モチベーション保てる事案がなかったから…良かった…本当に。

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そんなことは何より、1年ぶりに浴びた『熱海殺人事件』は1年間のパワーを蓄えて帰ってきました。本当なら味方伝兵衛と見比べたり、他のキャストで見比べたほうが楽しめるのだということは分かりつつ、この1回にかけて見てたら荒井さんが出てきた瞬間に泣いた。

ここからは多分ネタバレします!!!ロンゲストスプリングよりは伝兵衛を渦巻く愛憎は濃度低めなんだけど、私は覚えているので伝兵衛の哀しさでもう駄目だった。ところで私の中で荒井さん自体が伝兵衛のような存在だってこと、薄々気がついてはいたけど今回ではっきりと自覚した。本心を隠すように言葉多く、ふざけているようで真剣なキャラクターなんですよどっちも。直前に観た荒井さんのスタライでも、第四の壁をはっきりと意識して生きているんだなと思ったけど、伝兵衛も内と外ではっきりと分けていて、それでもじんわりと滲み出てきてしまう本性がもう本当に愛おしい。そしてかっこいい。かっこいいんですよ荒井さんも伝兵衛も。好きです。

荒井伝兵衛であることはもちろん、私がこの回を選んだのは間違いなく池岡金太郎がいるからなのだけど、黑世界のクレイジー池岡を摂取してから体感した池岡金太郎は本当に本当にしびれた。こいつは人殺せるよ。だってこんなにも哀しいんだもん、ってなってしまった。あまりにもあまりにも良すぎてこの公演終わったらどっか行ってしまうんじゃないかって思うくらい良かった。人ってなんかやり遂げたときにいなくなってしまうじゃん。そういうの怖いよ。あくまで妄想ですけど、

荒井さんといけぴの掛け合いが何度かあって、その中でもやっぱり花束を叩きつけるところが本当に美しかったな。一心不乱に叩きつける荒井伝兵衛、うずくまって耐える池岡金太郎。これが掛け合いなのかって思うでしょうけど、私の中では最高のクライマックスの始まりだったんです。お互い役者として愛がある二人だからこその空気感だと私は思う。この二人で『熱海殺人事件』が観られるのは奇跡だよなとも思う。こんな時代じゃなかったら…という気持ちと、こんな時代だから今日の1回に想いを込められたんだという気持ちがどっちもある。なにが正解かは分からないけど、観られてよかった。

改竄と比べて紀伊国屋ホールの男性率も年齢層もぐっと上がってたのはもしかしてヒロインの新内眞衣さんのおかげなのかもしれないと思いますが、存じ上げない方だったのでさらの目で見てました。でもやっぱり他の出演者に想いが強すぎて本当に可もなく不可もなくの感想です。すいません。

石田さんはおそらく『新・幕末純情伝(2016)』振り?でも久しぶりに見たかったから見られてよかった!石田さんの流れるような台詞回し(特に関西弁になってから)の良さ。そして私があんまり得意じゃないアドリブゾーンの安心感。これから見る岡村さんの演出作品には全部に石田さんがほしい。それで言うと創さんもいつメンになりつつあるのであんなよくわからない格好にされでも笑いが取れるなんて。ただでは起き上がらないんだなって感じだった。

大体は荒井さんといけぴの話になってしまったな。でもさ、本当に二人の芝居が好きなんだ…私は…生きていると感じる瞬間を愛しているんだ…

 

愛とは安らぎのことではありません

なにものにも負けぬ強い志のことです

 

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余談1:改装後の紀伊国屋ホールも煙草演出OKであると信じてる。

余談2:年末にアニメ『鬼滅の刃』見ておいてよかった。