取り留めもない

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映画『イノセント15』

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STORY

ある地方都市の小さな町に暮らす中学3年生の岩崎銀(萩原利久)は、登校せずにミン(影山樹生弥)とユウキ(中村圭太郎)とつるんでブラブラしている。ある日、彼はクラスメートの佐田成美(小川紗良)から告白されるが断ってしまう。それを気に留める様子を見せない成美だが、家では母(宮地真緒)とその恋人(木村知貴)から虐待を受けていた。成美との一件以降、変わらぬ日々を送っていた銀は、父が営む旅館を訪れた菊池雅弘(本多章一)が、かつて自分の父親・大道(山本剛史)と付き合っていたことを知る。

映画『イノセント15』 - シネマトゥデイ

REVIEW

人を好きになるには何が必要なんだろう。

この映画を観てからそんなことをずっと考えていた。銀は自分に自信がない。故に成美に告白されてもそれを受け入れることができない。逆に、なぜこんなに価値を見出していない自分自身を好いてくれるのかわからないと思い悩んでしまう。そこで、父親の秘密が明らかになる。父は母を愛していたのか。愛していたならなぜ別の人を愛せるのか。しかも同性の友人を好きになるなんて。銀は自分を好きになることができなければ、人を愛することもできない。それでも一緒にいたいと思って、決死の覚悟で救い出した成美をまた目の前にしても、「好き」だとは言えない。男女差とまでは言わないけれど、自分の気持ちを明確にするには個人差も性差もあるし、そのことにやっと気が付いた時には手遅れってことも往々にしてある。それが観ていて切なさとか苦しさにつながっているのかなと思った。インディペンデント系の映画の中では全体的なクオリティが高いし、笑いのポイントも好ましい。同性愛を扱うのならもう少し踏み込んでもいいんじゃないかなと思ったけど、一般男性のリアルに考えられる愛情はああいう感じなんだろうと納得することにした。

ところでトップコートの新星・萩原利久くんがかわいい。杉野遥亮くんといいほんと優秀。