取り留めもない

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映画『同級生』

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言わずと知れた中村明日美子の代表作『同級生』。個人的には『Jの総て』の方が好きだけどとかどうでもいいことだと思えるくらい間違いなく最高でした。

 

STORY

バンド活動にのめり込み女子生徒からの人気を集める草壁光と、入試で全ての教科で満点を取った秀才の佐条利人。容姿も言動もかけ離れていた二人だが、放課後の教室で合唱祭の練習をしたのを契機に言葉を交わすようになる。草壁が佐条に歌を教えるうちに二人の距離は近付き、お互いに恋の感情を抱いていることに気付く。ストレートに思いをぶつけてくる草壁を拒んでいた佐条だが、少しずつ彼を受け入れていくように。そうして寄り添う二人に、進学を考える時期が訪れ……。

映画『同級生』 - シネマトゥデイ

 

REVIEW

普段はアニメをほとんど観ない。最近見たのは舞台化されていて気になって観た『K』かなぁ。特に映画館にアニメを観に行くなんてことは全くないに等しく、多分『猫の恩返し』ぶりという感じ。それでも行くことを決めたのは、TL上でこの作品が『キンプリ』と同様話題だったのと、タイミングよく空き時間ができたから。そんな高いのか低いのかわからない期待値で見始めわ予告編から本編になった瞬間「これはやばい」と思った。「たかがアニメ」と舐めていた。これは私が読んだあの作品そのままだと瞬間的に感じた。不思議だけど、あまりに完璧に頭の中の作品像と合致した時には、ドラマCDを聴いている気持ちになる。目で観ているのは漫画で、耳で聴いているのはCDみたいな。脳内再生が顕然化されてるような、不思議な気持ち。原作を読んでいて、映画を観た人が全員そういう風に思ったら素直にすごいなと思います。

一緒に見に行った人が原作を読んでいない友人で、ただ中村明日美子の他の作品は知っているという状態だったんだけど、草壁と佐条が初めてキスをするシーンで私のことを見てきて、あとで聞いたら「あまりにもときめきすぎて思わず」と言っていました。そうだよね、あそこはみんなが大好きな少女漫画シチュエーションだもんね。続いて友人が「そんなのは序章に過ぎなかった…そのあとの畳み掛けがすごかった」と。原作をご存知の方なら分かると思いますが、基本的に一話読み切りのお話しなので一回一回にドキドキするポイントがあって、それがちゃんと再現されててそのせいで畳み掛けられるという。すごいぜ中村明日美子

あと、なんと言っても中村明日美子の美しい絵をそのままに、映画館の画面に大写しにされた時の言葉を失わざるを得ない感。佐条の透明感のある細面も素晴らしかったけど、草壁がこてんと机に突っ伏して佐条を見詰めているところなんてなんかもう凄まじかった。王子様だった。中村明日美子×映画館の相性最高かよ、『Jの総て』も映画化してJの睫毛の繊細さを再現してくれよ。

脇を固める原センや草壁の親友くんもちゃんといた。佐条と原センの回想のくだりがなかったけど、そのおかげで草壁と佐条にフォーカスされてて最終的には良かったと思う。っていうかあれしか出てないのに哀愁漂わせる原センの存在感なんなんだよ。最高かよ。

今回の映画では二度目の夏、草壁が免許を取って佐条が模試を受けるところまでだったから、もっと続いてくれ!遠距離のところも観たい!どうかお願します!の気持ち。今回の映画化によって作品自体の素晴らしさを再確認した。っていうか来場特典の小冊子(アフターエピソード)も有難すぎてこれデフォで1,500円でいいの?という勢い。はーとりあえず家に帰って全巻読み返したい。

 

同級生 (EDGE COMIX)

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