取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

舞台 『ONLY SILVER FISH  オンリーシルバーフィッシュ』

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STORY

 「ねえ…あなたならどうする?一つだけ振り返る事が
できるとしたら…。たった一度だけ…大切な過去を…。」

舞台は古い洋館から始まる。屋敷に置かれた大きな水槽の中にはオンリーシルバーフィッシュと呼ばれる一匹の寂しい魚がいて、その魚の本当の名前を知る事ができれば、過去を振り返る事ができるという伝説がある。
そんな洋館で和やかに始まるはずのパーティ会場に届く、一通の不可解な招待状。
『幸せのサインを始めた瞬間、一人ずついなくなる。アガサが書いたであろう物語のように・・・。』
偶然に、しかし必然に集まった11人。そして現れる、謎の人物。
一人・・・また一人と死んでいき・・・物語が、現実を巻き込んでゆく───。

映画 & 舞台 『ONLY SILVER FISH | オンリーシルバーフィッシュ』

REVIEW

ここのところタイムトラベル系のドラマをずっと見ているので、本当にタイムリープするのかと思ったけどそうじゃなかった。哀しい物語ではあるけど、特異な話でもなくて、だからといってよくある話でもない。人が人を愛して、人が人を試して、諦めるために物語に縋る。私そんなに西田作品を見ていないのだけど、ここらへんとbpmのお話の感情の動きや似たものを感じる。

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特に『アヴェ・マリターレ』はシチュエーションも似てるからそう思ったのかもしれないけど。アヴェマリは幸せな結婚のお話だったけど。

少しだけネガティブな感想。

見えている世界が反転するようなお話ってある程度の耐性ができると「やっぱりか」みたいな気持ちになってしまうのを止められない。なんだろう、心が汚いのかな。『天球儀』の時もそんな風に感じた。物語を物語るために作為的にキャラクターを動かしているような気がしてしまう。ミステリーなんてそんなものなんだろうけど。よく考えれば主人公のマシューも、初めから最後までずっと苦しそうだった。定められたエンディングに向っていくのが嫌だと叫んでいたような気さえする。むしろそう考えた方が救いがあるんじゃないかって。マシューを狂っていると糾弾できるほどに私は聖人ではないし、彼にとってはエミリーを救う最後の手段だったし、ONLY SILVER FISHなんかなくたってロイだってどこかで振り返れたかもしれないのに。マシューが振り替えることができるのは「裏切られている日々」だけなんだと思うと哀しい。人間、慈悲も慈愛もないのかしら。

この作品の中で私は松田凌という俳優のあらゆる感情を目の当りにした。と同時に、少しだけ同じ感情の繰り返しのような気もした。彼が喜び、怒り、悲しみ、楽しむ姿はどこかで見た気もするというような既視感。それは私がよく見ているからなのかもしれないけれど、今回のそれでは彼の魅力を表現するには足りない。気のせいなのかな。あと何回か観れば変わってくるのだろうか。どちらにしても現在進行中で私の感受性が怠惰になっているのは確かだし、今年はもっと多感でありたいと思った。

途中まで、これネタバレまでたどり着くのだろうか・・・と心配になったけど、きちんと2時間で楽しめる和製ミステリーとしては面白かった。あとは映画でどんな風に感触が変わるのかが楽しみです。

どうでもいいけど「ウキウキウォッチング」でピンと来てない観客多すぎだろ。新宿という地で見るいいとも青年隊だぞ。

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