取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

Bpm本公演『アヴェ・マリターレ』

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STORY

 山奥の洋館に住む何でも屋・阿部時男の元に、ある日、仕事の依頼が舞い込んでくる。仕事の内容は、目前に迫った結婚式のプランを立て、無事成功させること。仕事は順調に進み、翌日に控えた結婚式はうまく開かれるかのようにみえた。しかしそんな中、時男は突然命を落としてしまう。死んだはずの時男が目を覚ますと、目の前にはなにやら言い争う謎の人物たちが。これは夢かと戸惑う時男に、謎の人物たちは、にわかには信じ難い話を聞かせる…。

2009年に上演され、そのスピーディーで先の読めない展開で大爆笑、大好評の内に幕を閉じた「アヴェ・マリターレ!」が、装いも新たに、bpm本公演として帰ってくる!

全ての結婚真近な方に、全ての結婚したい方に、全ての大切な人がいる方に、全ての親子に贈る、ハッピーウェディング × ファンタジー × シチュエーションコメディ。

大いに笑って、少しだけあったかくなってください。

Bpm本公演 舞台「アヴェ・マリターレ!」公式ページ

REVIEW

はい。先週の土曜は2本観劇したんだけどもう1本が結構いろいろ考えたい作品だったから、まずはさらっと感想が書けそうなこちらから。池田純矢が主演ということでチケットを取って、あとから調べたらこれが演劇ユニット「 ハイブリッド・アミューズメント・ショウbpm」の本公演ということで2009年に初演を行った作品の再演ということで、作った人たちの思い入れをひしひし感じながら観ました。アドリブなしで何からなにまでちきんと設計して作りこまれたコメディ。掛け合いのひとつひとつが面白く、そんなことでも笑わせてくるのかと始終笑いが絶えなかった。伏線の面白さ、瞬発的な面白さいろいろある中でも一番「いいところ」を持って行ってたなぁと思ったのは作・演出の浅沼晋太郎さんかな。役得だなと思わなくもなかったけれど、人が好きで常に勉強してる人なんだなと上から目線で思った。今日が千穐楽ということでネタバレ気味になるけど、コメディらしい「くだらない真実の発見」までの探り合いというか、コントの中の天丼の笑いというのが好きな人には好きだろうから良いんだけど、やっぱり何も残らないのが惜しいな。あんなに楽しんだのに私の脳内で再現性がないのはつらい。DVD含めて何回観ても面白いんだろうけど、極論1回目の楽しさには敵わない。もったいないな。これだから個人的にコメディはなんとなく気乗りがしない。本当に面白かった時ほどこんな風に思ってしまう。

いつもは若手俳優舞台ばっかりだから、男女比率1対9くらいで20代女性が圧倒的多数なのに、天使役の女の子のおかげなのか、Bpmというユニットの性質なのか、若い男の人からご年配の方までいていつもとは違う雰囲気にちょっとドキドキした。比較的に紀伊国屋系の舞台って男女比率に偏りがなくなるところがあるなと感じるんだけどどうなんだろう。全体的に面白かっただけにちょっと残念だったのはカテコのグッズ宣伝。長いし面白くないし個人的に体感温度がさっと下がったのでできればないほうが良かった。

そして目当ての池田純矢について言うと、彼はこの作品にぴったりだったんじゃないかなということ。というのも、基本的に池田純矢はテンションの高いツッコミの人だと思うからこういうテンポの良いコメディの主役で回りがボケ倒すのを跳ね除けたりかわしたりしていくのが合ってたし、真面目で徹底して考えて作りこみタイプでもあるから作品の精密さとマッチしていた。ここ最近の胡散臭い雰囲気と講談師みたいな話し方はこの役の所為なのかもともとなのかどっちなんだろうなとまで思った。所謂「イケメン舞台」というファンタジー要素の強い作品も多く経験してきたうえで、彼自身は泥臭い温かみのある作品やテーマが好きなんだろうし、今後はそういうところでやっていくのかなと直感的に感じてる。次の作品は来年1月のエン*ゲキ#02『スター★ピープルズ!!』のほかには発表されていないけど、とにかく今後が楽しみです。牙狼の新シリーズに出てほしいなあ。映画でもみたいなあ。でも、もっと舞台でみたいなあ。というようにいろいろ思うところはありますがただただ続報を待ちます。『アヴェ・マリターレ』お疲れ様でした。