映画『ダブルミンツ』

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STORY

「女を殺した―」ある日突然、壱河光夫(淵上泰史)の携帯電話にかかってきた高圧的な声の主は、高校時代の同級生で、今はチンピラになっている市川光央(田中俊介)だった。すぐに光央のところに向かった光夫が目にしたのは、車のトランクの中に横たわる光央の彼女の麻美(冨手麻妙)の姿だった。
イメージ高校時代に出会った同じ“イチカワミツオ”の音の名前を持つ二人。光夫(川籠石駿平)は冷酷で高飛車な光央(須賀健太)と、下僕として主従関係を結ぶこととなるのだった。
そして数年を経て、衝撃的な再会をした光夫と光央。かつての隠微な記憶が忘れられない光夫は、逆らうことなく共犯者となり、森の中に穴を掘って麻美を埋める。光央が麻美としていたペアリングとともに・・・
時が経って、自分のしたことが怖くなってしまった光央はあっさり警察に自首。警察は埋めた場所を捜索するが、何も出てこない。取調べで、虚言を吐いたと叱責される光央の前に現れたのは、一匹狼で光央が出入りしている暴力団を監視している、マル暴の中岡刑事(高橋和也)だった・・・。
この事件をきっかけに、光夫と光央の関係は、やがて高校時代の主従関係でない、新しい形の関係へと姿を変えていく。そして警察だけでなく、光央のボスである佐伯(小木茂光)も絡み、二人はやがて取り返しのつかない犯罪の姿へと落ちていくのだった・・・

ストーリー|映画「ダブルミンツ」 

REVIEW

私達の期待は裏切られなかった!!!さりとて、必ずしも満足のいくものではなかった、とでもいうべきか。いや、絶対に期待は裏切られると思っていたから、その点本当に驚いているし、こんなにも中村明日美子の世界を忠実に描くことができるものなのかと思ったのは確か。でも、あまりにも思い入れがある話だと、内容はもとより台詞だって覚えているし、そうなると実写化のための変更による相違点や、それでもそのまま残したところだとか、そんなことを気にしてしまって。それはこちらが悪いとしても、そういう観客の気持ちを凌駕するなにかがあったわけじゃなかったことが少しだけ残念な気がしたというだけのこと。こんなことを先に書いてしまったけど、個人的には素晴らしかったと思う。

物語について

まず物語だけど、この話は同性愛とかそういう些細なことをひとまず横においたつながりの話だと思うので、その点暴力的な世界を描くのが上手い内田監督が脚本を書いてメガホンを取ってのは今のベストだったんじゃないかな。漫画だと、ともすればやっぱりそういう話が好きな人たちだけが受け入れられる感情論になってしまうけど、こういう生臭い話はヤクザものではわりかし多いので、違和感等がほとんどなかった。ただ、男性が見てどう思うかは分からん。でも欲を言えば、三池崇史くらいウザったい関係性を期待してたところがあるので、さらっとR15の範囲で収めてきたことにさほど良い意味を感じなかった。どちらにせよ大衆受けしない話なのだし堪える必要はなかったのでは。カッとなれば抱きたくなるし、たまにダサいくらい感傷に浸る、Vシネみたいな男の愚かさがあまり感じられなかった~。まあ原作もそういうところあるんだが。

キャストについて

黒ミツオを演じたボイメンの田中さんは想像以上に光央で本当に驚いた。基本雨に濡れた雑種の犬(汚い)みたいなの。好きとか嫌いとかよく分からない人間なんだろうなっていう表情なんかも光央っぽかった。男の人が短髪&黒スキニー&モッズコート&ブーツってスキンヘッズ過ぎて最高なんだって。見て。っていうか普通に顔が好き。

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http://www.cyzowoman.com/2017/05/post_139019_1.html

白ミツオを演じた淵上さんも初めて演技を見たんだけど、最初見た時の「歳いってるな」感が途中から感じられなくなって、それは光央への絶対服従な姿がそう見せたんだろうなと思った。光央に殴られて顔を覆いながら泣く姿 is 最高。

高校時代の二人を演じた須賀健太くんと川籠石駿平くんのシーンがあったおかげで(漫画にもあるけど)なんだかんだ言って、二人とも同じ穴のムジナなんですね感が高まっていた。NTRへの期待感をあんなに表情で表現できる川籠石くんはSUGOI。須賀くんは『シマウマ*1』あたりで様子のおかしい人認定をしていたので、安心して悪い顔を見させていただきました。同じく内田監督の『獣道*2』も楽しみです。

あと、大好きな女優さんである冨手麻妙ちゃんもいつもながら肉感がSUGOI。『アンチポルノ*3』も彼女の一挙手一投足を観に行ったみたいなところあったし。なんかイラつく女をやらせたら右に出るものはいない新人賞に輝くレベルの非常に満足度の高い女優さん。

蛇足ではあるけど、毎熊克哉とカトウシンスケが揃ったら完全に『ケンとカズ*4』だし、一ノ瀬ワタルくんが出てるなら先に言ってもらわないと心の準備ができないじゃないですか。田中くんと一緒にいるシーンもままあって、鬼邪高校と達磨一家の戦いの火蓋が落とされてしまうんじゃないか*5と心配でした。あと、『男水!』の龍峰マネを演じていた上村海成くん。君も出るなら先に言っておいてください。ヤクザ側のあの子かな?程度にしか思い出せないじゃない。これから行く人は気にして見てください。報告待ってます。

BLモノの実写化について

若手俳優オタならBLモノの実写化に出くわすことがままあると思うんですけど、私は少ない映像作品はひとまず観たいと思う人なので今までに結構な数を観ている。最近だと『どうしても触れられたくない』『宇田川町で待っててよ。』『セブンデイズ』とか*6。『ダブルミンツ』はそういうものとは確実に一線を画した作品になったと思うけど、だからといって観に行く人が違うかといえばそうでもない気がするのが残念だなと思う。(東京での上映館の話)まず、シネ・リーブルって時点でダメ。あそこはオタクしか行きません(偏見)。百歩譲ってテアトルでやろう。一番良いのは新宿武蔵野館。何か間違って偶然見てしまった人が原作に忠実な『ダブルミンツ』を観てくれて、好きになってくれたら嬉しいじゃん。

なんてことを書きながら、観ていてなぜか内容に集中できなかったのが口惜しかったなと思うのでした。