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映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』

映画

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STORY

青春時代を共有した親友・薫の死を受け入れられないでいる漣。描き遺された絵には薫の中学時代の同級生「斉木環奈」の姿があった。薫にとって大切な存在であり続けた彼女に薫の死を知らせるべく漣は単身、彼女の元へ向かう決意をする…。 

走れ、絶望に追いつかれない速さで - Tokyo New Cinema Inc. | ヒトを豊かにする映画

REVIEW

ドラマ『ゆとりですがなにか』で一躍注目を集める太賀主演の今作。個人的には人狼ゲームで観て、その感想に「93年組の若さと元気あふれる雰囲気イケメン枠からは外れるから今すぐに話題になるかっていうと難しそう」って書いていた自分めっちゃ恥ずかしい。

aooaao.hatenablog.com

 

「親友が死んだ。理由が分からない」という思いから、漣(主人公)はその親友の薫が最後に描いた初恋の人に会いに行く。その一連の行動を通じて、漣は今までの自分や、自分と薫との関係、そしてこれからのことをきちんと考え直すという、ある意味使い古されたテーマと物語を、太賀とこの作品全体がどう表現するのか楽しみにしていたのですが、そう驚くような展開もなく、決まっていたクライマックスに持って行ったという予定調和感は否めなかった。ただ、太賀の演技を観るには十分で、見つけたひとつの真実の前に絶望しかけた時に、提供された温かい食事をかきこむシーンは無条件で胸を打たれた。食べることは生きることだよ、うん。

人は誰でも死ぬことで強いパワーを手に入れると思っている。それほどまでに生物にとって「死」は重要なことだから。この映画の中でも自殺した親友の周りでは、当然進んでいくと思われていた未来が修正され、何かしらの影響が与えられた。そのことで同じように死を選ぶ人もいるかもしれない。でも、そのおかげで未来に立ち向かえるかもしれない。漣は一度は絶望しかけたけど、親友の死を乗り越えるということを通じて成長した。正直ここの部分がありきたりだったんだけど、その過程で薫の初恋の人に会ったとき、全部の理由をその人に見出そうとしていた漣の気持ちを見透かしたその女性に、「自分の問題は自分で解決してくれないかな」と言われるところがなんとも苦しかった。そう、すべては一人称の自分の問題。それは死んでしまった薫だって同じこと。誰を憎んだわけでもなく、何を呪ったわけでもなく、ただ迫ってきた絶望に手を差し伸べてしまった。それだけのこと。根本的に自殺も他の死に方と同じように、誰にもどうすることはできないんだと実感した。

 

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