取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

舞台『東京喰種』〜或いは、超越的美食学をめぐる瞑想録〜

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STORY

「あんていく」で働き始めたカネキの前に、“美食家(グルメ)”と呼ばれる喰種・月山習が現れた。月山を警戒するトーカは、カネキに「あいつとは関わらない方がいい」と釘を刺す。しかし、月山はカネキの特殊な「におい」に目をつけ、再び接触を図る。誘われるがまま、「喰種レストラン」へと足を運ぶカネキ。その先で見たのは、衝撃的な“喰種”の世界だった。

一方、カネキとの戦いで怪我を負ったニシキは、傷が癒えず苦しんでいた。傍に寄り添うのは、人間の恋人・貴未。ヒデを殺そうとしたニシキを知るカネキは、疑問に思う。人間を食い物としてしか見ていなかったニシキにとって、彼女はどういう存在なのか?

“人間”と“喰種”、二つの世界に触れていくカネキ。彼の眼に映るのは絶望か、それとも―――。

舞台『東京喰種トーキョーグール』〜或いは、超越的美食学をめぐる瞑想録〜 - マーベラス

REVIEW

前作をdアニメストアで見ようと思った時に、アニメも履修しました。なので、前作が「え、ここで終わるの!?!?なにも始まってないよ!!!」と思ってたことが懐かしく、今度は推しが主演を務めると知って、観てきました。

総論:ニシキ先輩がだいすき~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!

アニメを観ていて流れは把握しているので、喰種で唯一好きなキャラクターのニシキ先輩の物語になるであろうことは想像できたのですが、やっぱり好きでした。喰種、カネキが頑張るまで時間がかかり、いまいち気持ちの乗りきれない作品だなと思っていたので、全体としてはあまり記憶に残らないのですが、ニシキ先輩は別です。最高です。鈴木勝吾のニシキ先輩、前作に引き続き妙にリアルなムカつく態度で急所を突いてくるし、キミちゃんにだけでろ甘なのも二次元過ぎて好き。対してチャラい台詞があるわけでもないのに、鈴木勝吾のニシキ先輩からはクズさがにじみ出ていて、心のなかで「理解」と腕を組む自分がいました。とにかく好き。喰種と人間の子供が生まれたら良いですね(希望的観測)

あと、動ける鈴木勝吾が好きです。(何回も言う)

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一人だけミュージカルなヒデ様

プロジェクションマッピング多めですが、基本的にはストプレだったはずなんですけど、月山を演じるヒデ様だけ確実にミュージカルでした。というか子爵が重なりました。宮野真守のオーバーテンションなキャラクターを別軸で全力でやってくれるヒデ様はマジリスペクト(適当)以上です。

妖しい担当ミツムラ

大正解ですね~これは。こんな正解あるんでしょうか。生きているのかいないのかよくわからない役がこんなに似合うとは。もはや彼自体が人間ではない…???

存在感の薄い主人公と東京喰種

『男水』に引き続きキラキラ輝かない主人公を演じた松田凌。個人的にはすっごく消化不良なんですが、こういうキャラクターって流行ってるんですかね。新しいタイプの主人公像というか。東京喰種にとってはこうある必要があるんだろうな。にしても、というかこの後も知っているからより思うんだけど、カネキはこれから確固たる答えも出さないし、半径数メートルのテリトリーを守ろうとするだけだし、周りから学んだあれこれはついぞ昇華される感じがなくて好きになれないんだよな。大きなものを相手に戦っているにも関わらず、自分のことは自分のポリシーの中で考えていくのが正解って言われてるみたいで、「そんなの知ってるよ」ってなっちゃう。掲げてるテーマがエンタメっぽく感じないのは良いとして、こんな大きな話にしなくてもっとリアリティがあったほうがすっと入って来るのにな。たぶんこのあたりが好んでアニメ原作の舞台を観ない理由なのだけど。カネキが小越勇輝から松田凌に変わって優柔不断度が増したというか、精神は安定してそうなのにずっとウダウダ言ってるのが際立っていた。小越くんはもっと「若いから分からない」のだという青さがあったように感じられたから。そのまんま成長したと捉えれば良いのかな。あと、今回は声だけの登場だったけど、ヒデを演じる宮崎秋人にとっての小越勇輝と松田凌がどっちも「親友」なのが妙にリンクしていて面白かったです。という話。

コンディション的に考えることができないのか、やっぱりこの手の作品に気持ちが入らないのかどっちか分からない。こんなクソっぽい感想しか書けなくて絶望した。

追記

最近食べるということを強く意識したのはこちらの作品を観てから。

aooaao.hatenablog.com

完全食としての血と肉。喰種は人間と同じ寿命なのだろうか。なんにせよ彼等の発露が分からないとなにも考えられない。