DD過ぎて中身が薄い

映画や舞台の感想書いたり、推しが大好きと叫んだり。

柿喰う客フェスティバル2017『八百長デスマッチ』

あらすじ

入学式を無事に終え、自宅へと帰るぴっかぴかの一年生(永島敬三)。そんな彼の背後をつけて来たのは、同じぴっかぴかの一年生(大村わたる)!?俳優2人による意地とプライドを賭けた演劇バトル! 

https://twitter.com/kaki_kuu_kyaku/status/915902483926368256

感想

永島さんと大村さんの組み合わせで思い出すのは『へんてこレストラン』

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注文の多い料理店』が題材になっているから内容自体は大体の人が知っているのに、これがめちゃくちゃ面白い。もちろん中屋敷さんの演出が妙ということもあるんだけど、この二人の掛け合いが小気味良い。それが今回『八百長デスマッチ』で二人芝居になってそれはそこそこ楽しみにはしてたんだけど、それの10000000倍くらいは面白かったし楽しんだ(そのうち一割は玉置玲央さんが声高く笑っていらっしゃったのでそれだけで幸せになったというのがある)

いい大人が(いい意味)全力で馬鹿みたいなやり取りをしているのって、なんであんなに面白いんでしょう。たとえそれが子供同士の他愛ない口論であろうと、人が本気で何かをやってる姿って心動かされるんでしょう。っていうか、それをみてどうして心を動かされずにいられるのでしょうか。と言うくらいに笑って、最後はほろりとした。つまりはサイコー。

 なんていうか、基本的にこの二人仲良しなんだよね。それだけで幸せじゃん。ありがとう世界。30分だし、赤坂とか四谷あたりで暇時間が1時間くらいあるなら観たほうがいい。いろいろ考えさせられる内容でもあるけど、柿らしからぬ清涼感が胸に広がるから。マジで。

柿喰う客フェスティバル2017『流血サーカス』

 あらすじ

飢えた兄妹は人さらいの口車に上手く乗せられ、兄はサーカス、妹はお金持ちの家に売られてしまう。再会を誓い合う二人。兄は見世物女にサーカスで生き抜く術を教わる一方で、妹は金持ちの家で何不自由なく暮らしていた。そんな兄妹が再び出会う時、物語は思いがけない方向へ転がっていく…

感想

『流血サーカス』というタイトル通り、みんな求めていたことを見透かすように眼前に広がるのは血の海。とはいっても、舞台上で行われることなのだから大したことはないと思うやも知れない。でもそこは柿喰う客。演劇の境界を越えて、眉間にナイフを突き立てられる恐怖を味わうことになる。いわゆる「第四の壁」的なことというよりも、実は舞台上よりも客席(現実)で起きることのほうが奇妙で、恐ろしくて、不可解で危険なのだと。そういう演劇の不思議な用法を感じた。圧倒的な「虚」の世界だから、はじめはなかなか入り込みづらいし、柿喰う客らしさのない演者が多かったこともあって勿体無いなと思うところもあったけど、フェスティバルならではのお祭り感とチャレンジングな意気込みは十分に感じられた。

SNSを見る限りいろんな人の感想にもあったけどふしだらな女を演じていた加藤ひろたかくんがとても良かった。去年加入したばかりというのに、柿のエッセンス+彼のセンスが溢れ出していて、ボインボインと言う度に本当にゆさゆさ揺れる胸が見えた気がする。なんであれを美しいと思ったのか、自分でも謎。

 あと今回柿に加入したメンバーで『流血サーカス』出演者の中では守谷勇人くん(デスノートリュークみたいな人)が良かった。

 で、プロフィール観てみたら『デスノート』出てたらしい。

精悍な顔立ちから繰り出される切れ味のある芝居が魅力。2014年、劇団「ワハハ本舗」公演でデビュー。退団後の主な出演作はNTV『デスノート』、NHKとと姉ちゃん』など。特技は和太鼓。 

http://kaki-kuu-kyaku.com/member_moriya.html

 アドリブの調子がいい人だ~~~と思ったらワハハ本舗からデビューしたって。そりゃ相性いいわとウエメセ気味に思った。良くも悪くもコント的なノリとシリアスが相まみれた柿喰う客の作品の中で輝くって難しいなと思ってて、演技してます!!!という一生懸命な感じが見えると台無しになる。虚構でしかない世界だからこそ、生き物としては正しく機能してそこにいないと整合性が取れないのかななんて。

全体的に予定調和が壊れる瞬間がもっとたくさんあるともっともっと面白くなると思った。

映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』

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STORY

一見、今どきの恋愛に積極的に見える女子大生の椿。

彼女には何よりも夢中になるものがあった。

それは『骨』。

幼いころ恐竜の化石に魅せられ、以来ずっとその研究に情熱を注いでいた。

 しかし、そんな彼女の目の前に1つ年下の男性、アヤメが現れる。

著名な考古学者を父に持ちイギリスで生活していた彼は、のんびり屋なのに思いをストレートに口に出す不思議な性格。

そして、椿に一目ぼれ。

アヤメの猛アタックを受け流しながらも、次第にその純粋さ、優しさ、そして骨格の魅力に惹かれてゆく椿。

 しかし、その矢先…アヤメに熱烈な好意を寄せるイギリス時代のガールフレンド、エリザベスが来日。

彼女はわざわざ椿からアヤメを奪うために来日したのであった。

 さらに同じ研究室の先輩:鈴木仁英が現れアヤメを出し抜こうと椿に急接近。

 アヤメ・椿・仁英・エリザベス、研究室を舞台にした恋の四角関係はどんな結末を迎えるのか?!

http://www.ayamekun-movie.com/pages/908695/story 

REVIEW

めちゃくちゃ楽しみにしていたアヤメくん~!めちゃくちゃ楽しかった~~~(知能3)

もともと原作(連載中)を読んでいて、それこそアヤメくんみたいな人が目の前に現れてくれたら最高だな~~~と思っていたところで、それを黒羽麻璃央が演じるですって!!!いろんな理由で『宇田川町で待っててよ。』をリピートしてしまうこの私に、なんというカードを当ててきたのか。制作の人ありがとう。あわせて全世界に感謝しました。もとより麻璃央くんは映画で観たい人枠にいて、それこそまだちゃんと舞台も『僕とあいつの関ケ原』と『男水』しか観てないんでなんとも言えないですけど、いやでも普通にぎりぎり年下男子として恋愛映画でわんこみのある姿を記録して欲しい~~~って常々思っていたわけです。映画だと『色あせてカラフル』も最高だったし、この言い方どうかなと思うけど、サブカル女の大好きな雰囲気しかないので、もっと映像に推されてほしい。今泉力哉とか、横浜聡子三木聡に撮ってほしい~~~!無理だ。これはもう欲望しか出てこない。ひとまず偉い人も含めて『宇田川町で待っててよ。』と『色あせてカラフル』観てくれ。

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『めがだん』も面白いんやで。

gyao.yahoo.co.jp

話をアヤメくんに戻します。そうアヤメくんめっちゃ良かった。アヤメくんの基本少年だけど、椿先輩に対しては男になる感じとか、無意識にセクシーな感じとか。あのスタンスでムキッって拗ねられたら私はいろいろ許してしまうよ。あと椿先輩を演じた足立梨花ちゃんめちゃくちゃスタイル良くて、でも基本的には日本人顔で奥二重な感じとかタイプだわって実感した。漫画の椿先輩のちょっと心が読めなくて駆け引きしちゃうところとかも再現されてて、手玉に取られてもいいかもと思う男の気持ちわかるよ(?)本当は「デイジー」のくだりとかほしかったけど、まあ全部のエピソードできるわけじゃないし、未完の作品を良きところで終わらせてくれたなと思います。一番の解釈違い(見た目が)だった仁英先輩もそう悪くなかったし、個人的には小関陸くんと永田崇人くんと唯月ふうかちゃんの研究室メンバーがめっちゃ好き。エリザベスはイギリス訛りを頑張ろうとしている感があって好感が持てた(誰目線)

ほんと今みたい映画が観られたっていうこともあって、ただただ今はホリプロに感謝しかない。ありがとうホリプロ。個人的には矢野聖人をもっと推してくれると嬉しいという気持ちがないわけでもないけど、今日はこれで終わります。観て!!!!!!!!!!!!!

公式サイト

www.ayamekun-movie.com

関連記事

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www.cinematoday.jp

www.excite.co.jp

entertainmentstation.jp

黒羽麻璃央/「好きなことを突詰めてひたむきに頑張るアヤメくんを観て、夢を追うパワーにしてもらえたら嬉しい」

 

舞台『関数ドミノ』

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STORY

とある都市で、奇妙な交通事故が起きる。
信号のない横断歩道を渡る歩行者・田宮尚偉(池岡亮介)のもとに、速度も落とさず車がカーブしてきた。
しかし車は田宮の数センチ手前で、あたかも透明な壁に衝突したかのように大破する。
田宮は無傷、運転手の新田直樹(鈴木裕樹)は軽傷で済むが、助手席に座っていた女性は重傷を負ってしまう。
目撃者は真壁薫(瀬戸康史)と友人の秋山景杜(小島藤子)、左門森魚(柄本時生)の3人。
事後処理を担当する保険調査員・横道赤彦(勝村政信)はこの不可解な事故に手を焼き、関係者を集めて検証を始める。
すると真壁が、ある仮説を立てるのだった。
その調査はやがて、HIV患者・土呂弘光(山田悠介)、作家を目指す学生・平岡泉(八幡みゆき)、真壁の主治医・大野琴葉(千葉雅子)をも巻き込んでいく。
はじめは荒唐無稽なものと思われた仮説だったが、それを裏付けるような不思議な出来事が彼らの周りで起こり始める――。 

舞台「関数ドミノ」

 REVIEW

何をどこから信じるかはその人次第。それは観客だけではなく、登場人物さえも同じこと。総てが虚構の演劇の世界の中にも入れ子状になった嘘があって、非現実がある。私達がそう思いながら舞台上の人間たちを観ていると同時に、舞台上の人物たちも私達の様子を伺いながら、それでも真実化どうかを試してくる。『関数ドミノ』はそんな不思議な肌触りだった。

それほど込み入った話ではない。ただ、ある特定の人物が強く願ったことが真実になるということが露呈した世界で、自分がその特定の人物でなかったということで自己肯定すること、その力を意識して生きるということをする人びとがどう振る舞うのかを表現しただけ。ある人は自分が不幸なのは仕方がないことと納得し、ある人はその力で不治の病を治してしまう。同じ信心に起因しているにも関わらず、前者は理解できても後者はあり得ないと感じるのはそこに現実感が伴っていないから。でも、その現実も「ないことを証明」できなければ真実ではない。それはほとんど難しい。

観劇後なにかがずっと引っかかっていて、それを考えていたのだけれどおそらくそれはこの作品の「教訓らしさ」に違和感を感じたからかなと思う。ネガティブでいてはいけない。ポジティブにいなければというような、至極真っ当な考えがどこか作品全体の雰囲気とあっていない気がした。だからなんだと言われればそれまでだけど。

Dステということで、瀬戸くんもいけぴもずっきーも良かったのだけど、今回一番印象に残っているのは山田くんかな。朴訥でなにかどこかがズレている土呂のキャラクターととても良く合っていた。あと勝村さんは最高に面白くて渋いおじさんという感じがして良かった。すき。

これから全国を回っていくと思うので、ぜひ見る機会があれば観てほしい。すべては気から。ドミノ一個。

 

映画『闇金ドッグス7』

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STORY

生活保護費をだまし取られた債務者と年老いた母親が無理心中したことから仕事に嫌気が差した須藤司(青木玄徳)は、闇金の世界から足を洗い、キャバクラでボーイとして働き始める。一方ホステスのエマ(逢沢りな)は、昼は会社員として働き、家では交通事故で体が不自由になった姉の介護をしながら、夜は司が勤めるキャバクラで働いていた。司はエマと親しくなっていく過程で、彼女が700万円の奨学金を返さなければならないことを知る。

映画『闇金ドッグス7』 - シネマトゥデイ 

REVIEW

若手俳優にアテられる逢沢りなの安心感がすごい。これめっちゃどうでもいいことなんですけど、『華鬼』の時からお世話になってますって感じで、まさかワタナベか???と思ったんだけど違うのな。『メサイア』にも出てたよねうん。

青木玄徳氏の顔の鋭さが際立っててもはや凶器だったうえに、前山剛久氏のホスト役めちゃ最高だったん・・・ファンにはエグいおまけ付きだし。『マジックナイト』観た過ぎなんだけどどこに行けばいい???

www.magic-knight.jp

エグい・・・ショタな趣味恐ろしい・・・「サイコーに罪と罰だぜ」わかる。でもさ、これ読んでから一概に否定できるものなのか判断がつかないので困ってる。むずいよめっちゃ。

『ラブセメタリー』木原音瀬|担当編集のテマエミソ新刊案内|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー

女が腹くくって吉原で働くっていう考えにあまり抵抗感がないんだけど、抵抗感がないのはどうなん?とは思う。そんな中ドラム缶で問題解決する忠臣さんは相変わらずかっけえ・・・最近の忠臣さんのようじょみが村山と重なってしんどい。めちゃかわじゃん。なんだかんだ須藤司に戻ってきてほしい気持ちが溢れてるし。なんだかんだ楽しそうだし。闇金やる苦悩の根本的な解決にはなってないんだけど、それもこのシリーズの生ぬるい空気感とあっていて良いなと思った。職業に向き不向きがあって、それと好き嫌いはやっぱり違うんだなというか。仕方ないという空気感が私は好きなんだろうなと。あと個人的にツボなのは闇金屋の想い人がソープ嬢っていう状況な。『池袋ウエストゲートパーク』世代としては、職業:ソープがあってもそうそう驚かないし。毎月、吉原に出向く須藤司を私は影で見つめていたい。それを笑顔で迎えるエマに貢ぎたい。

aooaao.hatenablog.com

前作で結構気分が落ちていたけど、やっぱ好きだな闇犬。

 

OFFICE SHIKA PRODUCE VOL.M『不届者』

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STORY

新之助紀州藩藩主の四男として生まれたが、母は農民、育ちは卑しく、出世に縁が無い。
「自分は何者なのか」と苛立ちを募らせるが、ある日、次男が幼くして死んでいるという噂を耳にする。
満開の梅の下、新之助は胸騒ぎがした。
「他の兄たちもいつ死ぬか分からぬではないか……」

幼馴染の相棒・村垣左太夫と共に、薬学・暗殺術の研究に没頭していくようになる。
元服した新之助は「徳川吉宗」と名乗り、いよいよ行動を開始する。
長男の紀州藩三代藩主を左太夫と共に暗殺したのを皮切りに、次々に兄弟たちを毒殺、吉宗は二十二歳で紀州藩五代藩主となる。
既に吉宗の目には全ての人が敵に見えていた。
「恐怖から逃れる為には一番上、江戸幕府の将軍になるしかない」

吉宗は、更なる野望の炎を灯し始めた。
一方、徳川御三家の筆頭である尾張徳川藩では、吉宗のライバルとなる男が名乗りを上げていた。
徳川宗春」吉宗とは逆に派手な男で、人柄と気前の良さで尾張の民に人気であった。
将軍の地位をめぐり、吉宗と宗春は死闘を繰り広げることになる。
時空を超えた、不届者たちの不届きな舞台である。

不届者

REVIEW

秀逸で精工で非の打ちどころのない作品だったとは決して思わない。この世の中に史実と現実を重ねて展開される物語が少ないわけでもない。でもこれが松岡充と丸尾丸一郎の二人で作り上げた作品だと考えた時、彼らを応援しているファンが本当に羨ましいなと思った。

イチから作っているだけあって、登場人物はみな宛書に近いんだろう。丸尾が見詰めた先のキャラクターたちはどれも愛おしく、いきいきとして、哀しいまでに可愛らしかった。劇団鹿殺しのメンバーと客演のどちらかだけに目を奪われるわけでもなく、ひとりひとりが本当に生きている人のようにそこに存在していた。それがなんだかうれしくてうれしくて。鹿殺しの作品は『竹林の人々』『キルミーアゲイン』『田舎の侍』で4作品目なのだが、正直劇団員に心を奪われたのが今回が初めてで、特に椙山さと美演じる聖子にはずんと心臓を掴まれた。

ハッピーエンドでないし、綺麗でもない。身勝手で、突発的で情けない人間のなんと醜いこと。でも人生というのはそういうなんともしがたい人間の愚かさを噛みしめることなのではないかなとも思う。でも、そうそう自分にそんな出来事は起きないし、起きてほしくもないからこうやって演劇を観たり、本を読んだり、映画を観たりする。そうしてまた生きていこうと思ったりするんだなって。そんな気がする。

というところで、以下キャラクターおよび俳優について思ったことだけ書きます。

松岡さんって立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花なんじゃない?って本気で思ってしまった。何あの46歳。すごくない?さらっと羽織を羽織るだけで美しいってなに?あれだけ顔が整ってるとヒモ感にリアリティがある。本当に悪気がないまま全部が進んでしまったって思ってそう。

荒木さんの役は数年ぶりに会った幼馴染の梅本(松岡さん)の悪事に手を貸す役なんだけど、普通に梅本のこと好きすぎだよね。梅本への執着にも似た感情があふれ出しているのを私は見てしまった。自分の人生を人に託すというか、壊れる時は諸共な感じ。無理そんなの好きすぎる。ってか台詞だとしても、梅本が影山(荒木さん)に「アイドルとかダンスグループとかねえよな」という趣旨のことを言った瞬間ちょっとだけしゅんとした。D☆DATEではLove Heavenが好きです。

小沢のみっちーさんは最初のキャスパレ終わって喋りだすまで彼だって気が付かなかったからマジで。これは本当に。美しいってわけじゃないのに自然だった女装が。マジで。そういう役どころだからか、男性が女性器を作る話を叫んだりするんだけど、私の精神が幼児だからそれがサイコーにカッコ良くて好きだった。愛してる。あと、みっちーさんの周辺だけ天王洲じゃなくて下北沢だった。

そしてなんといっても池田純矢。まず存在がえっちだった。

 控えめに言っても最高じゃない???

 女の復讐で梅本を追い詰める時のあの顔。タンくんを無表情で蹴ったり、おしぼりを客に投げつける時のあの顔。めちゃくちゃ好き。なんだろう、満ち溢れるサド感。でも本質がサドかっていったらそうでもない気がする。パンフレットのインタビューにも書いてあったたけど、彼は「相手によって自分を完全に変える才能」の持ち主だから、まあつまりピエロなんだよね。ピエロって真ん中にいてみんなから注目を集める時もあれば、周辺でちょこまか動いて笑わせる時もある。彼もそういうところがある。だから私は彼が真ん中に居て決まったことをしなくちゃいけない状況じゃなくて、自由に動いていいっていうバッファーがある時の方が力を発揮しているように思っている。へらへら笑う顔の裏で泣いている。派手な格好も真には弱い自分自身を隠そうとしている。まあ正直に言うと、ピッタリとした黒服姿が一番好きだけど。

で、池田純矢の演技が好きって話まだする?それは今までの努力の賜物なんだろうとは思うんだけど、ふらっとサンダルで来てストレッチもせず、現場でしか台本を読まない、俳優で声優で劇作家で演出家ってやっぱすごい(小並感)いっそ生まれ変わりたいもん。あの背の低さでも無問題。顔と言葉で普通にあらゆるものを性別を越えて侍らせたい。芸能界で染まったんだろうなって思うひねくれ感もいいと思う。早めにいろんなこと経験してそう。知らんけど。「エン*ゲキ」ね。あれと相性が悪いの私。どうしたらいい?

最後の方なんか愚痴になっちゃったけど『不届者』観て。大阪まだ始まってないから。観るしかないでしょ!!!

 

natalie.mu

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PARCO STAGE『人間風車』

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STORY

売れない童話作家の平川(成河)が披露する奇想天外な童話に、近所の子供たちは大はしゃぎ。
けれども、童話の登場人物や題名はレスラーの名前、テーマも"三流大学出身より高卒の方がまし" だから、子供の親からはクレームばかり。
公園に集まる子供たちの中には、へんてこ童話の主人公になりきって現れる奇妙な青年・サム(加藤諒)がいた。
ある日、平川はひょんなことからTVタレントのアキラ(ミムラ)と知り合う。その出会いは平川の作風にも大きな変化をもたらしていくのだが…

人間風車| PARCO STAGE 

REVIEW

鉄コン筋クリート』 という松本大洋の漫画がある。クロとシロという少年が居場所を追われ、戦い、苦悩し、最後は自分たちの新たな場所を見つけるという話だ。クロはシロを身をていして護り、シロはクロを精神的に支える。ときにクロが闇に飲み込まれそうになっても、クロを救うことができるのはシロだけ。これは偶然で、奇跡なんだ。クロにシロがいたことも、シロにクロがいたことも総て。

鉄コン筋クリートall in one (ビッグコミックススペシャル)

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鉄コン筋クリート (通常版) [DVD]

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 『人間風車』は平川という人間の破壊と後悔の物語。ただただ闇に落ちていくばかりといえばそれまでだ。平川は人間の無垢を持ち、邪悪を育て、悪の華を咲かせてしまった。そして後悔する。死ぬまで生きて苦しみ続ける。もし彼に、彼を理解しいつも寄り添ってくれる存在があったら。もし彼に、理解し分かり合える存在があったら。クロのシロ、シロのクロが居てくれたら。恐ろしい怪物と決別することができたのではないかと思わずにはいられなかった。もちろん、それは平川自身のせいでもある。彼は他人を理解し分かり合うような関係構築をしてきていないように思える。人望、人徳のなさというのか。ある側面では「いい人」であるかもしれないが、他人から見れば「クズ」かもしれない。彼は彼自身の軽率な言動で彼はアキラを失い、国尾に裏切られ、小杉に馬鹿にされた。最後、かわいそうな平川はいつまでも自分の中に悪を飼いながら生き続けることを観客は知る。そうして観客は平川を通して人間の愚かさと、美しいものの儚さを同時に知る。私はこの作品を観て、純粋無垢に誰かを信じたり愛することの難しさというものは、信じたい愛したいと思うほどに大きくなっていくものなのかもしれないと思った。

この物語は残酷だ。人は惨たらしく死ぬし、救いようのない展開が広がっていく。視覚からの刺激は大したことではない。平川の物語を聞いたサムのように、観客の中で大きく膨らんだ想像力がどんどんどんどん心から余裕を奪っていく。全部自分が作り上げた虚像だと分かっているのに、実際に目で見るよりも恐ろしい。この感覚がとても不思議だった。

平川を演じた成河さんの演技を初めてみた。初めのうちは子供のように無邪気な平川が悪に取り憑かれ暴走し、自らの愚かさに絶望する様子は、苦悩する平川その人だった。台詞量は相当なものだったが、闊達に言葉が連射されるのは小気味よく、伸びのある声は最後まであふれる源泉のようにとめどなく発せられていた。すごい。つかこうへい劇団わかるという感じ。一公演の精神の消耗は想像もつかない。

サムを演じた加藤諒くんは、残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』ぶり。彼が身を投げる瞬間、サムの無垢の中に『淋しいマグネット』のリューベンを見た気がした。サムもリューベンのように「誰か」信頼できる人を探していたのだと思う。31歳にもなって何もできない自分が、別の人物として生きることができるというのは夢のような出来事だったのかもしれない。でも、何か起こしたサムは本当に幸せだったのだろうか。サムは平川に「ずっと見ていてくれ」と懇願した。きっとサムも平川のことをずっと見ているんだろう。死ぬまで生き続ける平川のことを。

 

目当てにしていた松田凌は死ぬまでいきいきしていた。果たして今の小学5年生がいったいどんな風なのかまったくわからないが、始終楽しそうだったし、実際アフトで楽しいと言っていた。声の作り方が『パラノイア★サーカス』の少年を思い出させた。

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そして彼の気持ちがわかったからこそ私も悔しかった。

アフトは和んだ~~~。ササキさん(進行役)の知の欲求がすごくて、松田凌と矢崎広のミュージカル『薄桜鬼』の馴れ初めを話させたり、呼び方を暴露させたり、なんだったんだあれは。二人に挟まれる良知くんは「劇的に顔が良い」ってことが強烈に脳に焼き付いている。つまりはサイコーなアフトでずんと沈んだ心が救済された。ありがとう。あとは東京千秋楽なので、そこまでにまたパワーアップしてるだろうから、心を鍛えておかないとだな。