取り留めもない

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映画『マティアス&マキシム』

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STORY

たった一度の戯れのキス。そして溢れ出す、君への想い。

30歳のマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)は幼馴染。その日も一緒に仲間のパーティへ向かうが、そこで彼らを待ち受けていたのは友達の妹からの、あるお願い。彼女の撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人だが、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気付き始める。美しい婚約者のいるマティアスは、思いもよらぬ相手へ芽生えた感情と衝動に戸惑いを隠せない。一方、マキシムはこれまでの友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだがー。

映画「マティアス&マキシム」公式サイト 2020年9/25公開

REVIEW

公開前に宣伝方面でプチ炎上してしまった今作。まあなんだろう、監督が言う「これはただの恋」と、他のヘテロな物語を一緒にする意味あるかなってことだけど、このちょっとした配慮さえなんか歯がゆく感じてしまうんだけど実際。今回のそれは正しくないにしても、それはヘテロに置き換えた事自体じゃなくて、「それになんの意味が?」って言う方だと思うんだけどね、本質的には。だって『溺れるナイフ』の登場人物に『マティアス&マキシム』のポスターの真似ごとさせてもどうしようもなくない?私のお気持ちは以上です。

映画本編の感想としては概ね良かったなと。一個前の作品がどうして全然好きじゃなかったのでこの方向性でいったらどうしようと思ったけど、「感情で訴えかける系」の作品でめちゃくちゃ好きだった。会話が鬼ほどうるさいので嫌いな人は絶対に嫌い。『たかが世界の終わり』のクライマックスくらいはうるさかった×3箇所ぐらい。

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 会話劇っぽいやり取りが多くて特に面白かったのは、マティアスとマキシムの友達の妹が「英語をしゃべるな」とか「英語交じりでしゃべるな」って周りにキレられてたとこかな。ルー大柴みたいなしゃべり方は確かにイラつく。

「たった一度の戯れのキス。そして溢れ出す、君への想い。」っていうコピーがまさにその通りだなと。これは恋とか愛とかなんかそういう分かりやすくラベリングされたものじゃないなと。マティアスもマキシムも成長するにつれて自分の周りのことに悩まされてきて、マティアスはそれでもなんとかここで頑張ろうとするのに、マキシムはそれをすべて捨ててオーストラリアに行く決意をしている。はたから見たらマティアスの方が恵まれてるんだけど、マティアスはマキシムに焦がれてる。嫉妬とか愛情とか憎しみとか寂しさとか全部まとめて焦がれてる。あのクライマックスも、そこから見えるそのあとも、曖昧であることが当然というか、それ以上でも以下でもない気がした。いい意味で(免罪符)

個人的にぐっときたポイントはマキシムが作ってるパスタ(マカロニっぽいやつ)に醤油差しで醤油を回しかけてたとこと、2回ほど画面を横切るイッヌ。かわいかった。