取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

舞台『遠い夏のゴッホ』

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STORY

ベアトリーチェ、君が地上に出てくる来年まで、僕は必ず生き延びてみせる」
恋人よりも1 年早く羽化してしまったユウダチゼミのゴッホが、生きて生きて生きまくり、
セミには絶対に不可能な冬越えに挑む大冒険---。
SHATNER of WONDER 6 つ目のお話は、2013 年に初演され大絶賛を浴びた、
誰も知らないちいさな森の奥で起こる究極の愛の物語です。

キティエンターテインメント×東映 Presents SHATNER of WONDER #6「遠い夏のゴッホ」東京公演2017年7/14(金)~7/23(日)天王洲 銀河劇場 / 大阪公演2017年7/29(金)~7/30(日)森ノ宮ピロティホール

REVIEW

絵本だよ。読んだことある、こんな絵本。それから後生忘れられない、思い出と一緒に思い出される、そんな心が暖かくなる作品でした。短い命を意識してるのに、行きたいと願わずにはいられないっていう昆虫もいるけど、その中でユウダチゼミのゴッホはただ恋人に会うために次の夏を夢見る。シャトナーさん独特のシュールな笑いのポイントはいくつもあったけど(主に宮下雄也)、それが悪目立ちすることなく、物語に流れる悲しさのクッションになっていた。

俳優たちもみんな素敵で、主役のゴッホを演じた安西慎太郎は純粋で大胆で、誰の目から見ても魅力的。運良く2列目からその輝きを見てしまったものだから心が浄化されるようだった。ゴッホの恋人のベアトリーチェの幼く無邪気な雰囲気もとてもよかった。この二人が出会って、愛し合って、再会することは運命なのだなと思う。クビカリアリのバンクォー(小澤亮太)とゼノン(陳内将)の、お互い性格や好みは異なるのに信頼しあっている関係性がにじみ出ているやり取りも良かった。みんな大好きミミズのホセはなんであんな憎めない可愛い奴なんだろう。ミミズ漫才成功するといいねと本気で思った。丸目くんのヘンリーと星元くんのイワンは可愛いが過ぎる。もはや暴力で死んでしまった。この二人だけのスピンオフくださいって感じ。

役者がひとりひとり輝いていて、役割を果たしていると感じる作品は久しぶり。唇役もいるから小さな子にも見てほしいな。