取り留めもない

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妄想劇場 part.1 『46億年の恋』

この世にある映画の中で一番好きな映画が『46億年の恋』なんですけど、公開当時から「演劇っぽい」と言われていたので勝手に舞台化した場合のキャスティングを考えてみました。

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 まず、若手舞台俳優バージョンから。

※前者が有吉(映画では松田龍平)、後者が香月(安藤政信)。

原作本『少年Aえれじい』では有吉はオネエ言葉なんですけど、割りとそれでも良いなと思う。①は二人とも『46億年の恋』観てるだろうし、そういう世界観に寄せてるところあるからピッタリだなと。松田氏は感情を全体重かけて役に乗せるタイプだし、青木氏は黙っていれば飄々としてて何を考えているのか分からないところあるし自分の中ではベストキャスティングでしかない。「ぼくがやってあげたのに*1」と松田凌に言わせる相手が青木玄徳というだけで罪深くないですか。

どうせ舞台でやるのだから、ダブルキャスティングがいいなと思って考えたのが②。ただただ2種類目を考えてもつまらないので、有吉の方を特定のオタクがグッとくる同事務所の役者にしてみました。俳優を始めたきっかけの人と同時*2に同じ役って夢あるじゃん。祥平くんってなんだか強いなって。凛々しくて顔に力がある。そんな役者さんが、他の誰かに憧れてその人になりたくて仕方ないのか、愛しているのかわからなくて困ってる姿とか、無意識に香月を包み込もうとしている姿とか、すごく見たい。香月を松田岳にしたのは、単純に彼には寂しい人哀しい人を演じてほしかった。弱いから暴力で片付ける。自分の気持ちを上手く表現できないから苦しくなる。香月がそんなキャラクターがなので一度振り切って演じてほしい。

演出を末満健一さんにしたのは、最初の導入の部分があまりにもファンタジーなのでそれを「寓話的」と言われるレベルに落とせるのはこの人くらいかなと。あと、天国とか、宇宙とかそういう概念が急にぶっ込まれるこの物語が、ループしていたら最高だなと思います。音楽は言うまでもなく和田俊輔さん。

もうひとつ、リアルに実現しそうな線で考えたのはこちら。

ある程度の規模の舞台で認められてるところで推したい2人。矢野聖人にはめちゃくちゃ不安定な有吉やってほしいなって思ってます。言動とかちょっとおかしいんじゃないかなって心配になる感じの。NU版のTRUMPで言うところの陳内アレンくらいの白痴っぽさがあっても良きかな。玲央さんは『また愛か』 でのある場面の描写について知ってしまってからもう香月を演じてほしくて仕方ない。『46億年の恋』の物語の方に話は戻るけど、香月は本当に高津の奥さんが好きだったんじゃないかなと。 好きだったけれど、感情表現の方法を知らず、暴力的に奪って結果彼女を殺したという事実は、香月にも大きな衝撃を与え、自分自身の罪の重さと同様に、彼女の死の重さもずっしりと彼に影響を与えた。そういう背景も飲み込んだ上で「香月史郎」に成ってくれると思う。可能であれば玲央さんにも踊ってほしい。

三池監督は『夜叉ケ池』や『座頭市』で舞台の演出もしているからそのままでもいいかなと。だからこそ、NAKA雅MURAに舞台用に脚本を書き換えてほしい。全然違う展開になる可能性もあると思う。正木亜都亡き後どうなっても怒る人はいないし自由度は高くなりそう。最近映画のお仕事をしていない北村道子*3を召喚したい。 

というところで、妄想劇場やってみたら案外楽しかったので続きたい。

*1:意味:僕が殺してあげたのに

*2:ミュージカル『薄桜鬼』では松田凌から橋本祥平が引き継いで斎藤一を演じていた2人。

*3:近況報告記事 

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