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ジョー&マリ プロジェクト『熱闘!! 飛龍小学校☆パワード』

演劇

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STORY

飛龍小学校。その世界には、小学生しかおらず、始業前と休み時間と放課後しか時間が存在しない。お金を持たぬ彼らの間では、「噂」が貨幣として流通している。
3年生でありながら、飛龍No.1の探偵と噂されるタフガイ・赤木ジョーは、ある朝、運動場地下に眠る古代図書館遺跡から、伝説の宝石「飛龍エメラルド」を発見してしまう。それは、3000年前の伝説の番長が作り出した、1年生でも6年生に勝てる力を秘めた宝石だった。
学校の支配権を競う番長グループと児童会、そして一攫千金を狙う全校のハンターたちの間で、飛龍エメラルドをめぐる熾烈な戦いが巻き起こる。
できれば争いからは無関係でいたいジョーはだったが、腐れ縁でもある2年生の噂ブローカー・マリが、争いに巻き込まれて番長の居城に幽閉されたことを知り、その救出に向かうことを決意する。番長の居城は高学年校舎の最上階。そこは、低学年児童がひとたび足を踏み入れれば生きて帰ることができないという魔境である。
果たしてジョーはマリを救うことができるのか? そして飛龍エメラルドを手にし、学校の派遣を手にするのは誰か? その頃、誰も知らない地底で、飛龍エメラルドの恐ろしい呪いが発動し始めていた…
飛龍小学校最大の噂として未来まで語り継がれる冒険が今、幕を開ける。

 ジョー&マリ プロジェクト 「熱闘!! 飛龍小学校☆パワード」 作・演出 西田シャトナー 2016年6月18日(土)~26日(日) 新宿御苑 シアターサンモール

 

REVIEW(ネタバレなし)

盛大なごっこ遊び(すごく良い意味)楽しかった!!!

シャトナーさんの作品で生で観たことがあったのは今年の初めの『ロボ・ロボ*1』だけだけど、今回の主演の平野良や大河元気が出てた『破壊ランナー』もこういう力のある作品だったわとブワッと思い出して、ワクワクして、と同時に目の前の世界と自分を繋げるまでに少し時間がかかって、そういう諸々含めて「これぞ演劇体験」という感じ。あくまで自然ではないということが鍵というか、さすがパワーマイムというだけあって起きていることを全部言語化してしまうし、まるで「想像できる夢は叶えられる夢」ということを実体験するようなそういう力がある。初日だからなのか、早口だからなのか台詞が聞き取れないところがちょこちょこあったけど、千秋楽に向けて良くなっていくはず。それでも助走を始めて速度を上げてランナーズハイに辿りつくまで寄り添うような高揚感が堪らなかった。クライマックスになるにつれて小学生だけの世界に引き込まれて最後はほんっとに苦しかったし、それがめちゃくちゃよかった!!!なにあれカタルシス?もしくは魂の浄化?ばばばばっと畳みかけられた後のあれは誰だって好きです。それに小学生ながらの恋模様もきゅんきゅんするし、それでいてあの最後!!!ニュアンスだけど、好きだった人が転校してしまった時に感じる切なさみたいな感じ。何があったわけでもないけど、好きであったことがすごくいい思い出っていうあの甘酸っぱい感じ。それだった。

主役のジョーを演じる平野良さん!なんだかんだいろんな作品で観てて、それこそDVDだけど『破壊ランナー』『理系ヲタが、船上で恋する確立』とか、ドラマでは『青空の卵』とか。でも正直そんなにピンと来てなかった。それなのに『メサイア』シリーズ観て、「この人シリアスな役をこんなに自由に演じるのすごいな」と思ってまあチケットを取ったわけですが、本当に良い!ハキハキとしゃべる人好き!熱さを表に出さないまま熱量を見せつけてくるのすごい!あと単純に平野さんのツッコミが大好きです。滑らないでがっちりハマるの。結局大人が小学生やるわけだからごっこ遊びっていう言い方をしてるけど、本当に途中から小学三年生に見えたから本当に見て。

噂商人のマリを演じるのは田上真里奈さん。まったく初めましてだったんだけど、あの見た目がmiwaでそれでいてなんだかサブカル愛をもってそうな雰囲気が堪らなく好きだった。あんな小学二年生に「あいしてます」って言われてるのに反応しないジョーってなんなの。もっとジョーとマリの会話を見たかったなあ。今度は二人のラブストーリーのパラレルでスピンオフしよう。夢に見た探偵との恋物語でお願いします。

番長の轟天寺の萩野崇さんは馬に乗って登場してくる姿がさながら将軍で、番長というより悪代官で笑った。すごくいいです。塩崎こうせいさんの演じる忍者不知火と番長との信頼関係も見どころだけど、不知火は児童会書記長の真面目口パチオ(天羽尚吾)との兄弟対決がもうくだらなくて最高だった。それにしても真面目口のビジュアルが劇団Patchの星璃くんにそっくりで、Patchでこの『熱闘!! 飛龍小学校☆パワード』をやってるところまで想像した。その前にPatch版の『破壊ランナー』観ないとなあ。

児童会長の遠山キンコ(右手愛美)は「ああっ児童会長様」って感じで、日々真面目口を叱咤して踏みつけるくらいはあったんじゃないかと思った。そして確かに大人の階段のぼってる感じあったわ。個人的には裏の飼育委員の猫渡アリス(荻窪えき)がお気に入りです。ああいう情に流されやすいオバみのあるキャラクター最高じゃん。友達になりたい。一緒にネズミを育てたい。

最高だったんです、めっちゃいろんな人に観てほしいんです。ばかばかしいことを全力でやる大人たちを観てほしい。でも、なんだか宣伝弱すぎません?私もツイッターリツイートされてくるまで知らなかったよ。こんなに面白いのに!!!まだまだチケットあるみたいなんでみんな観に行って!演劇サイコー!ってなるから麻薬だよ。

 

 

 今日の声に出して読みたい日本語は以下です。

百の口からあふれ出た、宇宙に関する千の噂。俺たちをひとつひとつの電子とするなら、そこを流れる電流は幻などでは決してない、宇宙に関する千の噂。俺たちの心を原子核とするなら肉体は電子。確率の存在でしかない8の字を描く幻。俺たちの心を原子核とするなら友達は幻。あるはずもなく、ないはずもない、地平線のむこうで生きる、8の字を描く幻。

 

 

追記とネタバレ

小学生だからみんなランドセル背負ってるんだけど、ジョーだけが背負ってないの。あと高学年と低学年の差はあるにしても、他の低学年の制服が違うし。あれはジョーが飛龍小学校に存在する千の噂の中のあるはずもなく、ないはずもない幻の友達だったってことなんじゃないかと思う。つまり、この時にみんなの幻になったんじゃなくて、何度も何度もみんなの幻の友達になる過程を繰り返しているということ。うーんどうなんだろう。もう少し考えます。