取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

豊田利晃×窪塚洋介×TWIN TAIL『怪獣の教え』

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2015/11/22 13:00 横浜レンガ倉庫1号館3F

千秋楽日に行こうと思ってチケットを買ったのに予定が合わず、泣く泣く人に譲ったのですが結局当日券で行ってきました。

ストーリー

15年前に東京に出ていった天作が「天国に一番近い島」と呼ばれるボニンアイランド(父島)に帰ってきた。東京で普通の人と同じように働いてきた天作を迎えた 大観はボニンアイランドで楽しいだけの毎日を送っている。天作は大観に船を出してほしいと言い、そのただならぬ様子に大観も承諾する。船の上、久しぶりに天作と会った大観は空白の期間を埋めるようにいろんな話をし、その中で最近出会ったアイランドホッパーのクッキーの話をした。そのうちに、大観は天作が東京から帰ってきた理由を知る。「白い岩礁」を探していると言う天作は、その岩礁に鉄の杭を打って怪獣を呼び覚ますのだと言う。

感想

現実は限りなく夢の中の物語。常に現実かもしれないし、夢かもしれない。夢だとしたらそれは僕の夢なのか、君の夢なのか。夢を見ることに疲れることも、夢見ることを止めてしまいたくなることもある。それでも僕たちは「夢を見ることに、あきたことなんてない」。そういうことなんだと思う。決してそれ以上でもそれ以下でもない。純粋にそのことを、充分にそのことを伝えてくる作品だった。それにはぴったりの音楽と、映像と、物語が過不足なく提示されていて、オープニングから音に、映像に圧倒される。おかげでTWIN TAILを爆音で聴きたい欲が満たされた。(ちなみに11/22はいいツインテールの日)

 

メッセージ性の強さからして、豊田監督の『モンスターズクラブ』『I’M FLASH』あたりの無駄にカッコいい胡散臭さが気になるところだけれど、そんなことはひとまずおいても、作品自体は完全にスタイリッシュ。『青い春』を観て「このヒリヒリした世界が青春なんだ」と信じていたにもかかわらず、実際の自分自身の青春と推し比べてみて、明らかなつまらなさに絶望した人間からすると、強いられても嫌いになれない。ただ、卍 LINEのファンとは相性が悪すぎやしないかと思ったけど。

ライブシネマとして「演劇+音楽+映画」でひとつの作品でした。