STORY
財産! 権力! 地位! 名誉!
望めば何でも手に入る!演劇界の風雲児・劇団「柿喰う客」が、結成10周年を記念して発表する完全新作本公演!
村を支配する地主の一族が、突如あらわれた未知なる生命体とともに、戦中戦後の動乱を駆け抜ける!?
夢と希望と絶望と悪ノリが支配する暗黒幻想劇、年末年始ぶっ通し上演!!
REVIEW
もともと東京千秋楽だけのつもりだったんだけど、仕事を早めに納めたから観にいきました『虚仮威』。柿喰う客の本公演を観に行くのは初めてで、『無差別』と『天邪鬼』を映像で観て、柿フェスで『フランダースの負け犬』と『いまさらキスシーン』を観て、今年のパルコプロデュース『露出狂』を心ゆくまで観たという経験値です。
ネタバレをされたら面白さ半減するからひとまず何を書けばいいのか…あ、そうだ。それまでの作品を映像で観て、今回観に行くのは初めての私がいいなと思った点として言うと、柿喰う客を初体験するにはとてもよい作品だなァということ。今回は新メンバーが6人増えて、簡単に言えば大所帯になっての本公演なわけですよ。比べる必要はないけど、今までの体感風速と今回の風速では、役者というある種の障害であり媒体が多い分だけ分散されているというか、柔らかめになってる気はするの。東京初日だからかもしれないけど。それでも十分柿節だから「素敵だなァ」と思うけど、強めのパンチに慣れていたら「もっとクレェ」となるかもしれない…でもそれは特段悪いことでもないと思うし、「役者全員で観客をリンチしてこいよ!」って思ってるわけでもないというか。人数を増やして、何ができるかいろいろ考えた結果なのだから、今までと同じは望まないし、その方向性で前進していく柿喰う客がみたいのだ。だから私は初体験の人にこそ観にいって欲しい。単純に楽しんで観てもらえると思うんだ。ただ、中屋敷さんに役者として出てきてほしかったなァみたいなところはある。
何と言っても柿喰う客の素敵なところの一つに、「ナルシズム」があると思うんだけど、それがほんとめちゃくちゃ感じられて最高だった…人間のどろどろしたところとか、この世界のどうしようもない部分とか描いているのにそれを圧倒的な美意識で表現してるのがなんとも良いんだ。相反するものを無理やり結合させて、がしがし動かしてる感じ?人造人間、フランケンシュタインの怪物みたいな?いろんな妖怪が舞台上にはいるんだけど、そのどれもがえっちいの。個人的な感想です。
うーん、物語を言わずして感想が書きにくいな。いや、感想なんてどうでもいいじゃん。みんな観に行こうな。パンフレットの中の永島さんと深谷さんの夫婦のやりとりめっちゃ可愛いし買おうな。あと、めこちゃんチェア座ろうな。
参考記事
中屋敷さんインタビュー ぴあ+〈plus〉
柿喰う客『虚仮威』インタビュー!七味まゆ味×玉置玲央×牧田哲也「演劇にしかできないことをやっている」 | エンタステージ