取り留めもない

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映画『シークレット・オブ・モンスター』

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STORY

ヴェルサイユ条約締結直前の1918年、フランスにやって来たアメリカ政府高官には信仰心の深い妻(ベレニス・ベジョ)と、人形のようにきれいな息子(トム・スウィート)がいた。しかし、その少年は教会へ石を投げたり部屋に閉じこもったりなど奇妙な言動を繰り返し、理由のわからない両親は当惑する。周囲の心配などどこ吹く風の彼は、ヴェルサイユ条約が調印された後のある晩に……。

映画『シークレット・オブ・モンスター』 - シネマトゥデイ 

 REVIEW

「どうしてモンスターが生まれたのか?」ということではなく酷い癇癪持ちの子供が、独裁者として世界を変えてしまうかもしれないという「if」をテーマにした作品。

資本主義発生以前はヨーロッパには「子ども」は存在せず、それは「小さい大人」だった。

「小さい大人」の復活と、「中年若者」~格差社会がもたらすもの(田中俊英) - 個人 - Yahoo!ニュース

というように言われているが、「一人の子供の中に世界をも揺るがしかねない立派な人格を見た」というようなことを描きたかったのではないかな。ジャン=ポール・サルトルの短編「一指導者の幼年時代」を基にしたらしいけど、サルトルが伝えたかった真理のエッセンスまで表現できているかは疑問。単純に、「子供はおそろしい」ということしか伝わってこなかった。

映像も単調で、事件もクライマックスまでほとんどなく、美少年(ショタ)がどんなことをしでかしてくれるのかと期待して観ると出鼻を挫かれる。全体として「凄い」としか表現できないのは、良いことなのか悪いことなのか判断できないところが本当に惜しい作品だった。

 

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