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PANIC! AT THE DISCOについて知っておくべき10のこと

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デビュー当時(左から)ジョン・ウォーカー、スペンサー・スミス、ブレンドン・ユーリー、ライアン・ロス

よくありそうなタイトルを真似してみました。2005年のCDデビューから今年の9月で11年。バンド名やメンバーの変更を経て、現在は1人でバンドとして活躍しているPANIC! AT THE DISCO(P!ATD)について、知っている人にも知らない人にも改めてその魅力を伝えたいということでまとめてみた。参照は以下。

パニック・アット・ザ・ディスコ - Wikipedia

Panic! at the Disco - Wikipedia, the free encyclopedia

 

1.FALL OUT BOYのピート・ウエンツに直接コンタクトしてCDデビュー

当時、ラスベガス近郊のサマーリンに住む高校生だった ブレンドン・ユーリー(ボーカル/ギター)、ライアン・ロス(ギター/ボーカル)、ジョン・ウォーカー(ベース)はフォール・アウト・ボーイ(FOB)のピート・ウエンツにインターネットを通じてデモ音源を送る。P!ATDの作詞を担当していたライアンのシニカルな歌詞や長いタイトルはFOBに影響を受けていた*1ことからも、音楽性に関しても近いものがあったからである。それを聴いたピートはラスベガスまで出向き、彼の運営する 「ディケイダンス・レコード」というレーベルの第一弾アーティストとしてP!ATDと契約する。

ディケイダンス・レコード(Decaydance Records)とは?

2005年にFOBのピート・ウエンツによって設立されたアメリカのインディレコード会社。元はフュエルド・バイ・ラーメン(Fueled by Ramen)という、エモ・パンク系のレコード会社系列だったが今は独立。フォール・アウト・ボーイやパニック・アット・ザ・ディスコ、ジム・クラスヒーローズ(Gym Class Heroes)が所属し、かつてはコブラ・スターシップCobra Starship)やジ・アカデミー・イズ(The Academy Is...)などがいた。*2

 

2.クラシカルな衣裳と幻想的なステージで人気を広げる

 2005年9月27日、ファーストアルバム『A Fever You Can't Sweat Out』を発売しアルバムデビュー。その中の「I Write Sins Not Tragedies」が世界中で爆発的なヒットをし、アルバムも200万枚売り上げた。

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メンバーがアイラインなどの化粧をするなど、エモの流れをくみながらクラシカルな衣裳を着てサーカスや見世物小屋のような幻想的ステージを行い、10代を中心に人気を広げていった。

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3.若者人気に比例してエモ批判の対象となる

若者からの人気を得るのに比例して、イギリスのデイリー・メールが子供たちのエモ志向を自殺性向に結び付けて警告する内容で、彼らの書く歌詞や表現する世界は子供たちに悪影響を与えるとしたことをきっかけに、当時人気であったマイ・ケミカル・ロマンスMy Chemical Romance)らと同様にゴシックと融合したエモ文化への批判の対象となった。世界中の若者にどれだけの影響力を持っていると考えられていたのかということが分かる。

 

4.セカンドアルバム『Pretty. Odd.』発売と「!」の消失

2008年にセカンドアルバム『Pretty. Odd.』を発売。ファーストのセンセーショナルなエモの要素を感じさせない、カントリーやフォーク色の強いアルバムで、その方向転換でファンを驚かせ、ビートルズをイメージさせるとまで言われた。また、バンド名に入っていた「!」を取った表記になる。

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5.メンバー2人の離脱

2009年7月、メンバーそれぞれの音楽の方向性が異なってきていたという理由から、結成メンバーであるライアンとジョンがバンドを離脱。ライアンとジョンはその後、ブリティッシュバンドに影響を受けたガレージロック色の強い「The Young Veins」というバンドで活動していたが2010年に活動休止した。

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バンドを抜けたライアンがほとんどの曲の歌詞を書いていたため、彼が抜けた後はボーカルのブレンドンが作詞を行うようになる。2009年8月、映画『ジェニファーズ・ボディ』への挿入曲として『New Perspective』をリリース。この曲でバンドのエモ路線への回帰が見られた。また、同時に名前を結成当時の「Panic! at the Disco」に戻している。

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5.ダロン・ウィークスが正式メンバーに加入

2011年サードアルバム『Vices & Virtues』を発売。2012年には、2009年からツアーメンバーとして参加していたダロン・ウィークス(ベース/コーラス)が正式メンバーとして加入した*3 2013年には4枚目のアルバム『Too Weird to Live, Too Rare to Die!』を発売。

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ダロン・ウィークス 

※2017年末、ダロン離脱 https://nme-jp.com/news/48288/

彼のバンド、I Don't Know How But They Found Meもバンド名からして最高なんで聴いて。

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6.初期メンバーのスペンサー・スミス脱退と1人での再出発

2015年4月、セカンドアルバム発売当初からアルコールと薬物依存症を抱えていたスペンサーが脱退を表明*4。10月にはダロンもツアーミュージシャンに戻ることを発表し、メンバーはボーカルのブレンドン・ユーリーのみになった。

2016年1月、1人になって初めてのアルバム『Death of a Bachelor』を発売。バンドメンバーとともに活動している。

 

ここまでは歴史。次からは個人的に好きなところ。

 

7.ブレンドン(ボーカル)がとにかくセクシー

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デビューから2010年ごろまではどちらかというと子供っぽくてかわいらしい感じだったのに、いつの間にか所作の総てがセクシーで、パッと決めるところでいちいち胸を高鳴らせてしまうほど。デビュー当時からの中性的な魅力は健在で、Qeenの『Bohemian Rhapsody』なんか歌うものだから、「ボーイフレンドさえいそうだな」と思ったけど、そういえば2013年に女性と結婚していた。 「たぶんストレートだけど、同性とも試したことはある*5」というのが実際のところだそう。

 

8.煽情的なパフォーマンス

エモの界隈の人は愛情表現にあまりタブーがなく、ゲイカルチャーを推しているきらいがある。パフォーマンスを見ているとなにがなくともドキドキする。

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ライアン・ロスとブレンドン・ユーリー

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 ブレンドン・ユーリーとダロン・ウィークス

 

9.パフォーマンス中のアクロバット

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2:27あたりでブレンドンがドラムセットからバク宙。ダンスのプロや練習していそうな人のやるアクロバットは「すごいな」で終わってしまうけれど、これだけ歌って踊っての中のバク宙を見た時には言葉なく驚いたし、率直に感動した。

 

10.PANIC! AT THE DISCOであり続けること

4人でデビューして、方向性の違いから2人抜け、療養のため1人抜けてブレンドン1人になっても「PANIC! AT THE DISCO」として活動し続けることが何よりこの バンドの魅力。「エモ」というブームに乗ってデビューして、2013年に解散したMy Chemical Romanceがそうであったように一躍有名になってブームの一部として去っていくものにもなり得たけれど、P!ATDはそうならなかった。ファンが一番恐れるのは、メンバーのスキャンダルでも、見た目の変化でもなく、「金輪際パフォーマンスを見ることができなくなる」ということ。それをせずにバンドとして活動を続けていることがどれだけ嬉しいことか。だからこそP!ATDを応援し続けたいし、ファンでい続けたいと思う。

 

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*1:例:長いタイトル【FOB】 "Our Lawyer Made Us Change the Name of This Song so We Wouldn't Get Sued" 、【P!ATD】 "The Only Difference Between Martyrdom and Suicide Is Press Coverage"  

*2:2007年のサマーソニックの東京1日目のマウンテンステージはさながら「ディケイダンス・レコード祭り」だった。SUMMER SONIC 07 | Gallery Pages

*3:写真でもわかるようにとても顔が良いダロンはファンが多い。

*4:4枚目のアルバム『Too Weird to Live, Too Rare to Die!』の『This Is Gospel』は依存症と戦うスペンサーに向けた歌とブレンドンがインタビューで答えている。

*5:意訳:Brendon Urie, Panic At The Disco Frontman, Has 'Experimented' With 'Homosexuality And Bisexuality'