取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

舞台『ホテル・カリフォルニア』

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紀伊國屋ホールで観てきました。言いたいことしか言わないので、今後観る人の参考にはならないと思いますが、誰かの暇つぶしになればというくらいで書いているのでそのつもりで受け取ってください。

 

福士誠治の裸ジャケットやばいかっこいい。

彼は心の隅にもいたことがありませんでした。気に留めたことがないというのが正しいと思います。でも、無駄な肉の無い身体を見てしまったが最後、「好き」って思いました。以上です。

嘘です。続けます。

先日、倉橋由美子『あたりまえのこと』という本を読みました。そこには小説を楽しむためのアレコレが書いてあるのですが、「批評」の章にこんな文があります。

ここに報告するにも値しないことであるけれども、それは他のところでも述べた通り、今日ではほとんどの本や文章が、従って文学も小説もまず商品だからということである。(中略)つまり悪口を言う批評が行われないのはそれが他人の商品にケチをつけることになるからであって、正面切ってそれをやれば営業妨害という物騒な行為ともとられかねない。

倉橋由美子『あたりまえのこと』

 営業妨害は嫌だなと思ってはいるのですが、だからと言ってなかったことにするのは無理なのでいろいろ書きます。書いて落ち着きたい。落ち着かせてください。

 

音楽はかっこよくて、個人的にはプロジェクションマッピングの演出もほとんど初めてだったし、開演した瞬間は低く唸るギターと映像に正直ちょっと感動した。でも、その音楽がなぜかたまに最高にダサい。最高にかっこいい or 最高にダサいでむしろすごい。そこでツボるとダサダサな演出の時に「キタ!ダサいの!」ってなるのでつらかったです。

物語も半ばまでいくと、初日から2日目で作りこめてないからなのか、わざとなのかなんなのか、テンポがクッソ悪いのも気になって、大体が半テンポ遅れるように感じ始めました。そのせいで始まりから終わりまでずっと入り込めず、無念。

そしてなんといっても詰め込みすぎ。無理なら端折れ。お腹がいっぱいになる前に口からこぼれて出ていった感じがあった。もしこの舞台が、「原作を買って読ませる」までの1セットなんだとしたら成功だと思うけど。このモヤモヤした気持ちをなんとかして原作を読んで解消したい。いますぐさせてくれ。 

この作品は映画向きなんじゃないかなと思います。場面転換が結構多いから、映画だったらシーンが切り替わるだけでも、舞台だといくら暗くしててもごちゃごちゃ演者&黒子が動いているのが気になりました。同じキャストでも映画だったらもっと絶対かっこいい。豊田利晃に監督やってもらいたいなあ。あの人なら内容捨ておいても超絶かっこよくしてくれるだろうなあ。想像に難くない、というか想像できた。それでも「舞台」をやるならば(上演中だけど)この作品のスケール感と今回の会場の広さが完全に一致していない。やりたいことから考えるとブルーシアターくらいがちょうど良いと思いました。ただ、金曜の19時の紀伊國屋ホールにはまだまだ人が入る感じでしたのでいやはやなんとも。

あんまりにも納得できないもんだから、脚本・演出の方をググったらもともと「大人計画」にいた人みたいで「うーんそうかー」という感じです。コメディなのに笑いも少なかったし、エロいシーンもなんせ臨場感がないからポカンとしてしまったし、会場の総意が体感できてしまいました。盛り上がらない。これも良い機会なので今度からこの人は避けて通ろうと思います。