取り留めもない

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映画『クリムゾン・ピーク』

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新年劇場1本目は『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ監督作品『クリムゾン・ピーク』。嫁いだ家がホーンテッドマンションでしたという内容で、個人的には期待値が高かっただけにうーんという感じ。以下、ネタバレ入ります。
 
私の中では『パンズラビリンス』でお馴染みのギレルモ監督だから、もっと精神的につらいというか後味の悪いものを期待してたんだけど、よくある近親相姦プラス狂人のみで、基本は勧善懲悪。悪いものは総て淘汰されるというのはとてもディズニーっぽかった。ヒロインにミア・ワコウスカを入れるもんだから逃げ回ってるところは『アリス・イン・ワンダーランド』だったりもした。
 
ゴシック文学が好きだからという理由で観たからこんなに期待値と違うのかなと思ったんだけど、もとよりイギリスのゴシック文学好きじゃなかったっていう話だった…(おすすめはドイツ、オーストリア)あとは、ファンタジーを求めていたから、すべての原因を人間に帰着したのが腑に落ちない。でも、だって、何度考えてもあの姉弟があれほどまでに狂っていったのかまったく分からない。それがその屋敷の力だったのだとしたらそのことを分からしめる何かがあって然り。それじゃなければ、もともと頭のおかし目な姉が母親を殺して、精神病院に行ってさらにおかしくなって弟を誑かした話にしかならなくて…いや、それでいいのか。なんにせよ、最後はみんな屋敷に殺されるくらいのファンタジーと不条理さがほしかったということです。
 
美術や衣装、そしてキャストのみなさんのビジュアルはゴシックの体現といえる魅せ方で流石の一言。ここまでいろいろ書いたけど、画面を観に行くのでも損はないと思います。