TOKYO TRIBE


ストーリー:数多くのトライブ(族)がひしめき、それぞれが自分たちの暮らす街を暴力で牛耳る近未来のトーキョー。ブクロWU-RONZを率いるメラ(鈴木亮平)は、何かと敵視していたムサシノSARUのメンバーである海(YOUNG DAIS)と衝突する。そして、それが引き金となって、シンヂュクHANDS、ブッバ家や怪しげな者たちを巻き込んだ一大抗争が勃発してしまう。トーキョーの各地で暴力が吹き荒れるが、その一方でさまざまな愛と友情をめぐるドラマも交錯していく(シネマトゥデイ



開始5分で少し涙ぐみました。久しぶりに目の前にある世界にのめり込める映画だったから。映画なのだから疑似世界を体験することもひとつの楽しみ方だと思うのですが、最近観てきた中でそういったものが全くなくて、逆に「どうやったら楽しめるか」ということばかり考えたり。そんなことが全く必要なかった、そのことが嬉しくて嬉しくて。

 さて、ストーリーは『池袋ウエストゲートパーク』と大して変わらないです。全体を通して意味がある訳でもない。「トライブ=一族=ファミリーだぜ」なオチ。雰囲気も『地獄でなぜ悪い』の悪ノリが加速した感じで、でもだからこそキャラ立ちしたのだと思いました。特にメラのストイックさと馬鹿さの両極端に際立ったキャラクター。最終的に円満な方に落としたのは少し勿体ないけれど、可愛かったから良しです。新人のヒロインは幼い吉瀬美智子でした、完全に。

 そしてやはり、この映画の一番のポイントはラップミュージカルという手法。これ(楽曲)が本当に良い。まずこういう所で使われる音楽は、相当気を使っていない限りHIPHOP風のダサい感じになるのが相場ですが、JHIPHOPシーンで現在活動しているラッパーが出演しているだけあって、違和感なく、そしてかっこいい。殆どラップなだから、演技がどうとか気にならないし、寧ろ染谷君のラップが最初のうち意識してしまったくらいで。



 これは主題歌ですが、劇中のどの曲もトラックからこだわっている様子でした。例えば、今韓国でやっている『SHOW ME THE MONEY』や日本の『高校生RAP選手権』を観居ている人や、なにかしらアジアのヒップホップとラップに馴染みがある人なら、BGMを聴いているだけでも楽しめる筈。

 ところで、それでもやっぱり園子温の作品を見ていて「地震」とか「祈り」とか、気にしているから気になるんですけど、そういった監督の一貫したメッセージ性だけが受け付けないです。その他にもなにかあった気がするけれど。あれだけ竹内力を下衆に描いて、それもエグい殺し方して、そういうところだけ押されるとちぐはぐな感じがしてどうも見づらい。個人的にそれだけが残念なポイントでした。

 総評としては、最近の三池崇史の作品に見られなかった「下品で派手でエゲつないだけの」映画で最高に面白かったです。





P.S.歌舞伎町から戦車が出てくるシーンがどうしても24WORLDのマキダイ先輩のシーンと重なりました。

EXILE TRIBE 『24WORLD』のワンシーン
それに関連して、漫画のが割と関口メンディー似と思っているのは私だけじゃない筈。