取り留めもない

映画や舞台の感想書いたり、たまに日記も

舞台『メサイア -悠久乃刻-』

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messiah-project.com

REVIEW

有賀と加々美

メサイア』はそれぞれの過去との戦いであると思っていた。具体的には、彼らがサクラ候補生になったきっかけの「死ぬほどの絶望」を乗り越えていく物語。実際、今までの卒業生は皆自分の抱えていたその絶望の根源を、生きる希望に変えて巣立っていったと思う。

では、有賀涼と加々美いつきはどうであったか。

悠久を観て、そのあと友人と話して確信したのは、この二人は「現在進行系の絶望と戦っている」ということだった。有賀は鋼で間宮と向き合うことで自分の過去にも対面し、一種の罰を受けた。このことはその後も有賀の中で重要な意味を持つだろうということは周知の事実ではあるが、鋼の時点でいったん過去との区切りはついていたと思う。次に加々美について、これは作品の中で説明が足りないなと思った部分ではあるが、彼の両親を殺した叔父を自分の手で殺めてからチャーチにやってきた時点ですでに決着はついていたように思う。

そして、今回の作品で彼らが向き合わなくてはならないのは自分たち自身である。有賀と加々美はメサイアという存在を絶対的に信じることでサクラとなった。絶望を越えることでなく、希望を見出すことが彼らのサクラとなる条件だったと考えると、今までの先輩サクラに感じられたような危ういまでの依存関係とは異なる関係を築いたように思う。生きる意味を失ったものたちが、国を守るという使命を受けて生きることができるようになるというようなものではなく、人間らしく生きていくための意味を互いのメサイアによって見出したような、そんな気がした。そういう意味で美しい卒業だった。でも、だからこそ有賀と加々美にはスパイとしての孤独感が感じられないということが、この先どういう意味を持つのかとても興味がある。

サリュートとスーク

他の方の感想にも書かれていたが、彼らは今後三栖と周のような活躍をしてくれるのではないかなと思った。自分たちの出生や戦う意味を考えながら、時にサクラと対立し、時に理解しあい、時に同じ目的のために戦うようなそんな存在。自分たちの理想のために生きるというのは別に誰かと戦うだけが答えではないというようなことを体現していく。人間的で、かつストイックな生き方が彼らには似合いそう。どうでもいいことだが、サリュートが「ボク」と「キミ」で会話する度に好感度が上がっていく。

御池と柚木

万夜さまから「僕は君(柚木)に殺されたいんだ(適宜、反転してください)」っていう一世一代の告白がある悠久乃刻。この言葉を聞いた時に一種のプロポーズだなと直感した。と同時に、私が初めて触れた『メサイア』って普通の世界ではいきていけない、こういう言葉を吐いてしまうような人たちが沢山いた世界だったなと思い出した。世界観を曲で例えるとASIAN KUNG-FU GENERATIONの『新世紀のラブソング』のような。

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周も最初出てきた時はめちゃくちゃ観てて不安だったものです。だからこそ、御池を観ているとなんだかちょっと嬉しくて。個人的には普遍的な幸せとか、人間的な生き方とか、そういうものは度外視して自分たちの幸せを見つけていくのが『メサイア』みたいな風に思っているので。。今回、劇場販売分の文庫についている冊子を読んでも死んだ。皆さんもぜひ死んでください。

そのほか、衝撃だったのはハングドマンのリョウへの「お前は俺のことだけ見ていればいい」発言。こっちでもプロポーズが行われていた…。ハングドマンからそんな言葉がと結構びっくりしたし、椅子から転げ落ちるかと思った。

書きたいことはたくさんあるけど、ひとまずここまで。皆んな『メサイア -悠久乃刻-』を観よう。

natalie.mu

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サマソニ行ってきた(いまさら)

今年はソニマニを蹴ってサマソニ二日目(東京)に行ってきた~!以下ただの日記。

ハイローを観てから幕張に向かったので着いたのは13時。いつものごとくついてすぐにソーキそばを食べました。年にこの一回しか食べないと言っても過言ではない。

OLDCODEX

Tカードになるくらいだから有名なんだろうなと思って観に行った。そしたら友達が「お絵かきバンドだよね」って言うから観てみたらお絵かきバンドだった。曲自体は自分達が高校生の頃に聴きまくってたパンクとかメロコアとか、スクリーモの系統って感じで嫌いではなかったけど、普通にお絵かきに笑ってしまった。ないほうが集中できる。メインボーカルのバンTと黒スキニーがどちゃくそタイプ。お絵かきさんはパッと見、MONOEYES細美武士に似てるんだけど、化粧が濃い。自意識とコンプレックスがすごそう。

程度にしか思ってなかったんだけど、昨日K-BOOKSに行ったらOLDCODEXのコーナーがあってなんだろうなと思って友達に聞いたらボーカルが声優さんなんですってね。でよくよく聞いてみたら友達の好きな声優で、知ってたわその人。ラウドロックバンドのボーカルが本業で喘いでると思うとしんどい(いい意味)

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Fear and Loathing in Las Vegas

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ラスベガスはデビューした頃スクリーモにハマってて、ファーストアルバムは持ってる。って程度だったんだけとめちゃくちゃ楽しかった~!


Fear, and Loathing in Las Vegas / Return to Zero - YouTube

このMVの中盤でも見られるけど踊ってるの。ボーカルのショタいSOくんと煽り担当のMinami氏がめちゃくちゃ踊ってる。そして、観客も踊る。楽しい。知能3くらいになる。楽しい。ウエメセだけど売れてるだけあるなと感心した。Party Boyが好き。

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New Found Glory
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今年が20周年で、このステージが2000ステージ目とのこと。パンクキッズなら好きだよね当然。にしても若さがすごい。良い年したおじさんなのに...でもこれぞパンクバンドって感じでもうほんと最高だった。一個気になったのは「手を挙げてくれ」って言う割に挙げた手の使いどころないことが多い。

Breathe Carolina

室内を出てビーチステージへ。もうほぼDJなんだね~ステージ自体は悪くないと思うけど、別にほかのDJでもいいかなと思った。シャウティングが聴きたかった。

クリープハイプ

音響が超絶悪くて歌声が聴きにくかった...バンドとしてサマソニ童貞を捨てたのがこのステージかというのは思ったけど、はじめては大変だもんね。というところで移動。

Good Charlotte

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GCを見るたび、ニコールリッチーとキャメロンディアスの旦那たちだ~!という気持ちになるんですけど、この知識どうでもいいですね。アルバムだとGood Morning Revivalが好きな女なのでRiverが聴けて死んでしまうと思いました。いやほんとがっごよがっだ。メンバーも年を取ったなと思ったけど、そうだよね。私も社会に出てしまったよ。つらい。

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SUM41

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観客の熱量がめちゃくちゃあってそれだけ沢山の人に愛されてるバンドなんだな~って。あと、どこまでいっても青春なんですよね。私にとって。メンバーが多少変わろうとも戻ってきてくれたことが嬉しいし、奇跡のように思える。一番聞いてたアルバムはUnderclassheroです。

記録でしかないけど、今年のサマソニは自分の音楽の趣味が今もあんまり変わってないんだなと実感する時間でした。来年も行こう。

『HiGH&LOW/END OF SKY』を観てくれ

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ホットロード』から始まり、夏の代名詞となりつつある(?)LDH映画ですが、最新作『HiGH & LOW/END OF SKY』を観てきました。結論から先に述べると、観て・金を落として・次回作(スピンオフ含む)に推しに出てもらおう!!!!!!!!!!!!!!!!以下感想です。

 

キャラクターの大洪水

アクションが〜、物語が〜的なことはツイッターなりで確認してもらえばいいと思うんですけど、個人的に主張したいのはこれです。ドラマから映画第1作目のザム、雨宮スピンオフのレッレを経てキャラクターの扱いに慣れてきたというか、もともと出演者個人に付随していたキャラクターが特濃ソースかっていうくらいに濃かったすごい。しかも、良くも悪くも役者本人が意識したら濃くなるんだなぁとわかるというか。

今回の優勝は九十九さん、次点でジェシー、源治って思ってるんですけど、そこはある程度キャラクターがあるはずじゃないですか。九十九さんとかアドリブの塊とかではないんですけど、散々カーアクションして死にそうになった後に「車苦手だわ」って台詞とか、一回車を見送ってからのダッシュとか最高です。みんなの(頭の中にいる)九十九さんが言いそうだしやりそう。あと、ジェシーな。観る前から「ショタおじがやらかしそう」って思ってたけど超えてきた。こっちはアドリブの塊でマジでMake Money(?)こんなに自分のこと理解してジェシー演じてるくせして、直人さん自体は「かわいい」と思ってないらしく、そういう感受性ぶっ壊れてるんじゃないかな?源治はターミネーター。正味、あれ目の前でやらせたら普通に笑ってしまう。最高ってこと。

あと、私のタイムラインでは蘭丸の顔がかわいい→笑顔のくだりにいかがわしい過去を感じるともっぱらの噂なんですけど、ポッキーの日に公開されるファイナルミッションにも出てきてくれますよね?!?!中村蒼???レプロプロ!!!(能年玲奈からレプロにはお世話になっています)

あと、アミューズのドンこと岸谷五朗は完全に『龍が如く』だったので、『龍が如く』ファンにも是非観てほしいですね。九龍グループのおじさま達普通に萌える(個人の感想です)

キンプリとか詳しくないし、応援上映とかも行ったことないですけど、これは普通に「次は推しキャラが勝つのでは???」みたいな誤認は往々にして起こると思ってしまいましたね。プリズンメイト(ジェシー語)の蘭丸と日向が結託するアナザーエンドもあると思うんですわ。

 

なんとなく各グループについて

山王がごちゃっとしてるのはいつか解決する瑣末な問題だと思ってるので割愛するとして、ノボルは喧嘩も強いんだなって。勉強できて、顔も良くて、喧嘩もできたら誰が勝てるの???

ラスカルズはラブが増量してた。金爆はバンドに集中させるために追放したって何かで読んだ気がするんですけど思い違いですか???あと、カイキジな。ザムまではカップルだったけど、今回はフィアンセってサードパーティが言ってたから、婚約してる(真顔)次は夫婦ですね。あと、今回増殖した「世界名作劇場」。あんま活躍してなかったと言えばそれまでなんですけど、事実として顔面偏差値がガンガン上がってた。ちゃんともに台詞があるのは確認した。偉い人ありがとう。松田凌は正直パッとしなかったんだけど、アクションシーンでZENくんに助けられるちゃんともとリョウマツダという場面があったので満足です。あと、廣瀬智紀という役者を見てくれ。

影の功労者の鬼邪高校、というか村山良樹。彼ってびっくりするくらい全肯定されててほんとすごい。オタクが好きなワードを合間合間に挟んできて「わかりみ!」っていうプラカードを掲げたくなった。その勢いで、轟くんの大学受験も支えてあげてほしい。受験するか知らんが。

ルードは窪田くんのスケジュールの問題で、タケシとピーが「がんばってた」んですけど、ほんとれおちゃんが「ぐぬぬ」って顔するときに「そうだねぇ、悔しいねぇ」みたいなババみが出てしまうのは抑えきれなかった。ユウという佐野岳が飛んで回ってたんすけど、もちょっとアドリブかましてた編集前のバージョンはどこで観られますか???ユウくん!!!願いは叶うね!!!

先にも書いたけど、日向と蘭丸のプリズンメイトスピンオフほしい。なにかあったっぽい方がEOSで裏切られた時の絶望深くない???妄想です。

 

FINAL MISSIONが楽しみです!!!

最後あんなんなっちゃったし、雨宮シッパーの私は生殺しなんですよ。だからはやくファイナルミッションさせてください。ポッキーの日まで何度もEOSします!

 

おまけ

 

 

再演したら観たい/観てほしい作品

お題「再演したら観たい/観てほしい作品」

やっと休みになったので書きたかったテーマで書きます~!平和で建設的なテーマ大好き!

 

再演したら観たい

淋しいマグネット


D-BOYS STAGE 10th 「淋しいマグネット」 - YouTube

 スコットランドの気鋭の劇作家ダクラス・マックスウェルによる珠玉の名作を、日本初上演した。 物語の舞台を日本に置き換え、全役ダブルキャスト、4バージョンで上演。 惹かれあい、傷つけあう4人の若者達の20年間を痛烈に描いた青春群像劇。

D-BOYS STAGE 10thとして上演された作品。私はDVDとDステ映画祭でredとblueのどちらも観たけど、ほか2バージョンが観られていないのが悔しい。一回感想文書いたのに消えちゃって今は残ってない。阿久津愼太郎のリューベンの恐ろしいまでの無垢さがゴンゾ(碓井将大)、シオン(陳内将)、トオル橋本汰斗)を包んで、同時に惑わせ、リューベンが彼らの前からいなくなっても呪いのように記憶と共に残り続ける。DボとD2の初々しいメンツだからこそ表現できる感情の起伏の激しさや台詞の伝え方がとても好きで今でもふとした時にDVDを観返している。誰もが誰かの影響を受けて生きていかなくてはいけないことがこんなに哀しく切ないのかと思う。定期的に若い俳優で上演してほしいし、されたら絶対観に行く気持ちでいるんだけどなさそうなんだよなぁ。韓国では結構上演されているらしいのに。

D-BOYS STAGE 10th 淋しいマグネット Reds [DVD]

D-BOYS STAGE 10th 淋しいマグネット Reds [DVD]

 
D-BOYS STAGE 10th 淋しいマグネット Blues [DVD]

D-BOYS STAGE 10th 淋しいマグネット Blues [DVD]

 

 Equal

 


二人芝居「Equal-イコール-」DVD予告編! - YouTube

18世紀初頭、ヨーロッパの田舎町。
青年ニコラは肺の病を患っており、もう長い間病床に伏していた。
幼馴染の青年テオは、町の小さな診療所で新米医師として働いていた。
テオが医学を志すようになったのは、幼い頃から病弱だった親友の身を案じてのことだった。
ニコラは、そんな自分がテオの人生にとって重荷になっているのではないかと心情を吐露する。テオは苦悩するニコラのために、かつて実在しながらも失われた学問「錬金術」を蘇らせようと試みる。それは「錬金術」における主要研究とも言える「不老不死」の実現を目指すものであった。
だが、死期の迫るニコラが次第に不可解な行動を見せるようになる。
そして、テオとニコラの運命の七日間がはじまるのだった。

演出家の末満健一さんのオリジナル作品。二人の役者で二つの役を一夜ずつ交差させて演じるシャッフルシステムで、このシステム自体が物語をより面白くしているんだなぁこれが。『TRUMP』みたいなこと?って思った人、とても近いです。『TRUMP』ほど劇的展開があるわけではないけど、物語の本質はこちらの方が好き。テオとニコラを演じる二人の役者が似たようなタイプでも、全く違うタイプでも次第に二人が溶け合うようにクロスしていくのが不思議で不思議で。会話劇の面白さを初めて感じた作品。生で観たい。輪廻の世界を描かせたら末満さんの右に出る者はいないと思う。

 

 

 巌窟少年

 

 簡潔に言うと末満さんが表現する『ライチ☆光クラブ』脚本を改訂していくごとに面白くなっていくんじゃないかなぁと。人気が高い作品なのに再演の雰囲気がないのがつらい。感想書いてるので詳しくはこちら。

 ぼくらが非情の大河をくだる時

 舞台は都内の公衆便所。

そこは深夜、男が男を求めて集まる、なまめかしい無法地帯。

正体不明の詩人がどこからともなく現れ、便所の壁や柱を愛撫し始める。

「満開の桜の木の下には一ぱいの死体が埋っている。深夜の公衆便所の下にも一ぱいの死体が埋まっている…」

詩人はそんな妄想を信じて壁や柱を愛おしそうに愛撫する。

そこに詩人が入るために作られた、白木の棺桶を担いだ男が2人。

詩人の父と兄である。

奇行を繰り返す息子を追って、夜な夜な棺桶を担いで走り回ることに、心底疲れ果てた、父。

幻想の中にいる「強くたくましいおにいちゃん」でいるために、弟の混沌に寄り添い続けている、兄。

「にいさん、ぼくは気狂いじゃない。にいさん、ぼくを見捨てないで。にいさん……!」

詩人の叫びは、白昼夢のような真実を浮かび上がらせ、その幻想はやがて非情な現実となってゆく……

これ朗読劇で観て、ストプレでも観たい欲がふつふつと高まっている作品。リアルに白い棺桶を運んできてやってほしい。最後は詩人を担いでほしい。今ワカハイ界隈に必要なのはアングラ臭だと思うの。

 

 アメリカ

築30年ほどのボロアパートの一室を舞台にした過去と現在の物語。劇団の公演を目前に控えた弟の部屋には、いつものように仲間が集まっていた。台本の執筆は一行に進まず、息詰まる空気を打ち破る事ができない。一方現在、兄は弟が姿を消したその部屋に遺品整理のために訪れていた。兄と弟…隔てられた2人の気持ちが交差することはあるのだろうか?

みんなが大好き『アメリカ』(持論)これもDVDで観たけど、あのなんとも言えない空気感は絶対に劇場で観たい。きっとお兄ちゃんの役をやる人のこと好きになっちゃう。荒木さんがやってるのも良かったんだけど、彼がサラリーマンっていうことに慣れるまで時間がかかった。話はそれるけど、今度の『関数ドミノ』も『アメリカ』みたいな肌触りになる気がしている。

D-BOYS STAGE 2010 trial-3 「アメリカ」 [DVD]

D-BOYS STAGE 2010 trial-3 「アメリカ」 [DVD]

 

 

 

再演したら観てほしい

クロードと一緒に

http://www.zuu24.com/withclaude2016/character.html

 1967年 カナダ・モントリオール。裁判長の執務室。
 殺人事件の自首をしてきた「彼」は、苛立ちながら刑事の質問に、面倒くさそうに答えている。男娼を生業としている少年=「彼」に対し、明らかに軽蔑した態度で取り調べを行う刑事。部屋の外には大勢のマスコミ。
 被害者は、少年と肉体関係があった大学生。
 インテリと思われる被害者が、なぜ、こんな安っぽい男娼を家に出入りさせていたか判らない、などと口汚く罵る刑事は、取り調べ時間の長さに対して、十分な調書を作れていない状況に苛立ちを隠せずにいる。
 殺害後の足取りの確認に始まり、どのように二人が出会ったか、どのように被害者の部屋を訪れていたのか、不貞腐れた言動でいながらも包み隠さず告白していた「彼」が、言葉を濁すのが、殺害の動機。
 順調だったという二人の関係を、なぜ「彼」は殺害という形でENDにしたのか。
 密室を舞台に、「彼」と刑事の濃厚な会話から紡ぎ出される「真実」とは。

松田凌のライフワークだと思っている作品。実際には2014年は稲葉友相馬圭祐、2015年は松田凌が主役を務め、2016年は松田凌主演で朗読劇という形で上演された。私はその2016年の朗読劇しか観られていないから個人的にもストプレで観たい。会話劇は言葉の巧みなやり取りの面白さが重要ではあると思うけど、この作品もの面白さはチグハグな言葉の交差がある一点で重なりあうところだと思う。そしてイーヴの生意気なかわいさ。弟にしたい。上演予定は2019年の冬とのこと。みんなイーヴに会いに行くべき。

 

 いまさらキスシーン

 これは自他ともに認める玉置玲央のライフワーク。ほかの誰かが演じてもいいけど、玲央さんが年を経て演じることを考えるだけで胸が高鳴る。

そう、みんなひよりちゃんに会いたい。会って。

 露出狂

 

露出狂はとにかく面白いって話!以上!って言うか文字じゃ楽しさは伝えられない。下品だし、くだらないし、一部ファンタジー的な飛躍が少なくないけど、若さと勢いで技巧的なことはおいておこうぜ!のスタイルが好き。とにかく好き。観て。

 MOJO

 
MOJO(ゲネプロ) - YouTube

ロックンロール・カルチャー全盛の1950年代後半。ロンドンのアトランティック・クラブでは、17歳のスター歌手シルバー・ジョニーの人気に火がつき、その利権を巡って地元のギャングとクラブオーナーの間でキナ臭い空気が漂っていた。そんな不穏な気配はいざ知らず、クラブの下働きの連中はくだらない世間話に花を咲かせては飲み明かす毎日。そんなある夏の日、事件が起こる。
クラブの面々はひどく動揺するが、オーナーの息子ベイビーは奇妙なほど冷静だった。不信と欺瞞が渦巻く中、運命の夜が訪れる──。

これは本当に面白かったし定期的に再演してほしいの10乗。ミュージカルではないけど主役は歌える人が良いし、自然に人を笑わせられるコメディ要素がある人たちが周りを固めて、ピュアピュアな子を一人据え置いてほしい。普段馬鹿げた言動ばかりの人物の方が非日常な場面においては冷静でまともだったりする。と同時に、そういう場面で隠されていた真実が明らかになる。そういう人間の本質を写し出していて絶妙。観て。

 春のめざめ


KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 「春のめざめ」 - YouTube

ドイツの中等教育機関で学ぶ優等生のメルヒオール、友人で劣等生のモーリッツ、幼馴染のヴェントラ。ある日の帰り道、メルヒオールはモーリッツに『子供の作り方』を図解で説明すると約束する。成績のさえなかったモーリッツは、学校での過度な競争にたえられず米国への出奔を企てるものの果たせず、将来を悲観して自殺する。

一方、メルヒオールは半ば強姦のようにヴェントラと関係し、ヴェントラを妊娠させてしまう。自殺したモーリッツの遺品からはメルヒオールのメモが見つかり、ヴェントラとの事も発覚。自殺の原因とされたメルヒオールは親に感化院に入れられてしまい……。

春のめざめ、略してはるめざ!ソンジュンの舞台上の演技がやっぱり好きだなぁと思ったし、彼や栗原類くんへの演技の付け方がすごく好みだったから、白井さん演出でまたお願いしたい。物語自体も考察のし甲斐があって好きなタイプだけど、音楽の使い方だったり、ダンス的なアクション含めてめちゃくちゃ良かった。観てください。

 

ひとまずこんな感じだけど、書いてて思ったのは人に観てほしいものは自分でも機会があれば観たいし、自分が観たいものは人にも観て感想教えてほしいよねってことです!!!そしてみなさんもこのテーマで書いててね!!!おわり!!!

サマソニに行きます(TOKYO2日目)

www.summersonic.com

なんだかんだ毎年行っているサマソニ。今年はめちゃくちゃ青春ど真ん中なパンクバンドが多くラインナップされた2日目に行くことにしたので、タイムテーブルを考えた。

CIRCA WAVES @マリンステージ 12:00

hostess.co.jp

正直このバンドのことはよく知らないんだけど、ホステスのバンドだからまあ確かかなという感じ。そもそも12:00に幕張に居るイメージがない。

MONSTA X @マウンテンステージ 12:30

monstax-official.com

名前はよく目にするんだけどという程度。できれば横目で見ながら涼しいマウンテンステージでご飯でも食べたいな~という気持ち。

WONK @ガーデンステージ 13:00

www.wonk.tokyo

ガーデンステージ行ったことないし、ダウナーなバンドを聴きながらごろごろしたい。

fox capture plan @ガーデンステージ 14:10

foxcaptureplan.tumblr.com

理由:お洒落

ROYAL BLOOD @マリンステージ 15:30

royalbloodband.com

ROYAL BLOODってなかなか人気だし一通り聴いたような気がする。

Breathe Carolina @ビーチステージ 16:50

www.breathecarolina.net

どちゃ懐かしい。その昔TapTapという音ゲーがあってそれでもう何回もプレイしたバンド。っていうかスクリーモといえば彼らだった気がするんだ。あとAttack Attack!とか。

mizuame-wataame.hatenablog.com

懐かしいの10乗。

話を戻すと、エモとかスクリーモのバンドがEDMに寄っていって、CashCashのように成功して、その中にBreathe Carolinaも居たわけで。

music-newsnetwork.com

Fall Out BoyPanic! At The Discoは生き残ってるけど、大抵は解散したエモバンドのある種の成功型なのかもしれないなと思いながら見てこようと思う。

www.youtube.com

私の中の正解はこれ。髪型からエモい。

クリープハイプ @レインボーステージ 18:20

www.creephyp.com

ミーハーなので『帝一の國』新規です。

GOOD CHARLOTTE @ソニックステージ 18:40

www.goodcharlotte.com

中学高校の愛読書が『INROCK』だった人間にとってジョエル・マッデンとベンジー・マッデンの双子はアメリカンセレブど真ん中だった。ほぼ無条件で好きになるもんだと思ってた。双子といえば彼らかTOKIO HOTEL*1だった(伝われ)グッシャかリンキンかみたいな質問されたら僅差でグッシャかなあ。とにかくめちゃくちゃ聴いた。

SUM41 @ソニックステージ 20:10

www.sum41.com

っていうかグッシャもSUMもソニックステージでは小さいのでは…?個人的にマリンではないのは良きことだけど、入れるか心配です。フーファイかSUMか0.2秒悩んだけど普通にSUM41勝利。ここまでパンク・バンド呼んでなんでリンキン来ないんだ?と思っていた時もあったけど、それも今は昔。でもGreen Dayは居てほしいな。

話を戻す。アヴリルラヴィーンがアイドルだった私にとってSUM41も重要なバンドなのです。特にUnderclass Heroは思い出深いんだけどなんでだか全く覚えていない。バンドのイメージもベースが長細いということしか記憶にない。自分の記憶力に絶望する。でも、きっとこれからも高校時代を思い出す時はここらへんのバンドの曲と一緒に思い出すんだろうし、このタイミングでPUNKSPRING*2みたいなサマソニに行くのもなんだか面白いなと思う。

 

 

 

 

映画『闇金ドッグス6』

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www.youtube.com

STORY

ヤクザの親分から闇金業者に転身したラストファイナンスの社長・安藤忠臣(山田裕貴)は、債権ブローカーから焦げ付いた債権を400万円で買う。忠臣は、債務者である伊良部慎太郎(長谷川忍)から、1,000万円はしぼり取れるともくろんでいた。ある日、慎太郎の妻で、かつて忠臣の恋人だった荒木未奈美(西原亜希)がラストファイナンスを訪れる。彼女は、行方がわからなくなってしまった慎太郎の手掛かりを探していて……。 

映画『闇金ドッグス6』 - シネマトゥデイ

REVIEW

aooaao.hatenablog.com

外道でも立派に成長したのだからいちいち喧嘩もしないし、感情的にならないのは当然なのかもしれない。でもそれは同時に私にとってはとても寂しいことだった。私は紋児や勇人やレオや京平や斗氣雄のような一生懸命で泥臭いキャラクターが好きだ。どこまでも自我でぶつかっていく男たちの人間らしさが好きだ。昔の忠臣はそうだった。きっと今でもその人間らしさを彼は心に残して、いつかまた魅せてくれると信じている。 

 前回こんなことを書いたら、今回はラブストーリーということでそれはそれで驚いた。でもガチバンから闇犬にかけての物語にラブストーリーはあったからまったくもって意外というわけではなかった。紋児の自称彼女のあの子は今何をしているかわからないけど、勇人と星良ちゃんは現在進行系でフジテレビのドラマ*1の中でいちゃついている。レオだって同級生の女の子といい感じだったし、斗氣雄だって女に騙されたし、京平は家族もできた。それに比べて、『闇金ドッグス6』は普通のラブストーリーだった。金を借りてる身分で、いくら元カノだからってあんなに度胸を見せる人はそんなにいないだろうし、忠臣はまた裏切られちゃうんだろうなと思いながら観ていたから「あーこれでいいのか」と拍子抜けしてしまって。何かが違うんだけど、それは仕組まれたものなのか、思いがけないものなのか分からない。はっきりと言えるのは、この作品を楽しむには他の作品と見比べる必要があるんだろうなということ。

spice.eplus.jp

――だからこそ、『ガチバン』シリーズを観ていると、より面白い。

そうなんです。だから今回の『闇金ドッグス6&7』は、より(『ガチバン』シリーズを)観て欲しいと思った作品なんですよね。正直、いつもの『闇金ドッグス』だったら、「(過去作を)観なくても、観られる」と言います。でも、今回はいつも以上に「過去作も観てから、今作を観てほしい​」と思うんです。お客さんを呼ばないといけない身としては、かなり矛盾してるんですけど(笑)。

演者もそう思っているようなのでそれで良いのかもしれない。

更にクロスオーバーっぽい話をする。『闇金ドッグス5』は『ガチバン WORST MAX』『ガチバン TRIBAL』のような存在で、シリーズの中でめちゃくちゃしんどくしすぎた感があった。ガチバンの場合は、その後に受験勉強編があっておもしろに寄ったんだけど、そうか闇犬はラブストーリーかと。率直な話、このタイミングでいちいちラブストーリーということを打ち出す、打ち出さなければならない、打ち出したほうが良いと判断されたことが「面白くない」と思う。ドラマは総てを包含しているのであって、テーマとして取り立てて何かを語ろうとする時、妙に興ざめするんだよなという感じ。女の影は匂わせ程度でよいし、正味ラブストーリーだけでお送りしようとしたのが腑に落ちない。闇金ドッグスの面白さってなんだったけな。